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「モッチョム」なんて、響きがステキ! 縄文杉だけじゃない屋久島、注目の山

2013.07.17 Wed

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

 屋久島、屋久島、屋久島。昨今の富士山人気もさることながら、屋久島人気も、まだまだ衰えるどころではありません。かつての屋久島ブームほどではないにせよ、たくさんの登山者が訪れているようです。屋久島は山登り初心者には、やはり「憧れの島」なのでしょうね。

 そんな屋久島ですが、まず思いつくのは、やはり「縄文杉」ですよね。じつは、縄文杉を見に行くのも、なかなかに大変なんんですよね。片道、4時間は見ておいたほうが無難です。初心者には、なかなか歩き甲斐があるルートだと思います。

 屋久島のトレッキングで次に人気がありそうなのは、ヤクスギランドですかね。そして、その上の太忠岳。どちらも、なるほどと納得の行く、屋久島らしい自然の奥深いルートです。とくに天文の森あたりに広がるヤクスギの大木の森は、一生に一度は見ておいた方がいいくらいの世界です。あまり知られていませんが、圧倒的なヤクスギを見ていると、時間的な感覚が麻痺してしまうほどですよ。

 さて、屋久島歩きにも慣れて来た人が、次にめざすのは、やはり最高峰の宮之浦岳でしょう。ちなみに宮之浦岳は、屋久島だけでなく九州の最高峰です。標高は1935m。山頂に立てば、360度、島のグルリが見渡せます。屋久島はたしかに、絶海の孤島なんだなと実感できるでしょう。個人的には、宮之浦の山頂から見る永田岳が大好きです。なんであんな造形が生まれるのか、それがただ不思議でなりません。

 宮之浦岳の縦走は、もう中級者レベルです。初心者にはややキツいかと思います。山中の避難小屋を利用して、ガンバって1泊2日、山に浸りたいなら2泊3日がオススメです。でも、シーズンまっ盛りのときは小屋に入れないほどの人が訪れるので、早めの到着を心掛けましょう。また、他人と言えど山仲間。ゆずり合いの心を忘れずに。

 宮之浦縦走を終了すると、もう屋久島を知り尽くした気になるかもしれません。でも、屋久島はそんなに浅い島ではありません。宮之浦岳を中心とした奥岳エリアの周辺にも、まだまだ魅力的な山はたくさんあります。そのひとつがモッチョム岳。なんともスゴい響きですが、地の言葉で女性器を意味するそうです。麓からの見る角度によっては、男性のそれにも見えるそうですが、なんとも神秘的ではありませんか。

 このモッチョム岳、登って見るとまたスゴい。なにがスゴいって、もう登り一辺倒なんです。これでもか、これでもかと両手両足を使って攀じ登って行くような箇所もたくさんあります。でも、登山口が名高き千尋滝の展望台だったり、途中には万代杉があったりして、森の奥深さも独特で、見どころが満載です。

 最高なのは、山頂からの大展望。足元はスパッと切れ落ち、背筋にはゾクッとした寒気を覚えることもあるでしょう。ただ、あの眺めは特別なものです。長閑な屋久島南部の時間がゆっくりと過ぎてく様は、モッチョムならではの時間ですよね。あのモッチョム時間は、登った人にしか味わえない時間ですよ。目の前の太平洋から虹が登っちゃったりして、もう! LOVEモッチョムです。

                                                                                                                        
■モッチョム岳登山情報
参考コースタイム 歩行時間計/5時間55分
千尋滝駐車場(1時間30分)万代杉(1時間)神山展望台(40分)モッチョム岳(40分)神山展望台(50分)万代杉(1時間15分)千尋滝駐車場 

アクセス 〔往復〕千尋滝駐車場(定期バスの運行はないので、タクシーかレンタカーの利用がベターです)

山行アドバイス
 海から立ち上がった一枚岩を攀じ登っていく、そんな表現がピッタリなほどに急な登りが続く山です。とはいえ、ガンバリが必要なのは、登りの3時間弱のみです。一般ルートは南面の岩稜帯ではなく、東から北へと回り込みつつ、深い森のなかを歩いて行きます。途中、沢を二度ほど越えるので、水場は十分です。途中の万代杉はあきれるほどに大きく、ひと休みするのにちょうどいいスペースもあります。山頂直下には、垂直に近く感じるほどの巨岩があるので登り下りは慎重に。雨の日は要注意ですよー。

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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