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ところで、テントのペグってなに使ってます?

2014.02.04 Tue

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

 キャンプ場でも山のテン場でも、テントを張るときに必要不可欠なアイテム、ペグ。

 みなさんは、どんなペグを使っていますか?
 
 山慣れた人はともかく、ふつうの人たちであれば、あまりペグに思いを寄せることも少ないのではないでしょうか? たぶん、多くの人はテントを購入したときに付いていたペグをそのまま使っていることでしょう。でも、ペグって意外といろいろなタイプがあるんですよね。

 おもにキャンプ場などで使うファミリー向けのテントであれば、通称プラペグといわれるプラスチック製の大きめのペグがセットされていることが多いはず。これは、軟らかい芝生のような地面に対しては、かなり有効なペグですよね。

 でも、プラペグは比較的に長めにつくられていて、その形状から表面積も大きくなりがちです。ですので、土面との摩擦も強く大きくなり、泥土のように粘着性が高い地面ではなかなか抜けにくくなってしまうことも。

 また、硬いものに弱い一面もあるので、打ち込んでいる途中に無理に力をかけると、途中でパキッと割れてしまうなんてこともよくある話です。

 泥土は粘着性が高いなんて書きましたが、これ以外にもペグを打ち付けるべき地面には、さまざまなタイプがあります。いちばん楽なのは、やはり前出の軟らかい芝地です。そして、意外と厄介なのが砂利の混じった地面。この砂利も粒の大きさがまちまちだったり、拳大の小石が入っていたりすると、もはやプラペグでは歯が立ちません。

 そのほか、山のテン場なんかによくある木の根混じりの地面やら、ひと抱えもありそうな大岩が埋まっていたりする地面もありますね。薄い土の層の下に分厚い岩盤があったりすることも、珍しくはないですよね。

 そんなときは、どうやってテントを張ったらいいのだろう……その対処法を知らなければ、もう途方に暮れるしかありません。ペグダウンもせずにテントで眠るのだけは、止めたほうがいいですからね。雨やら風やら寒さやら、いろいろなことに影響しちゃいますから。

 やはり、プラペグでは歯が立たないような地面には、歯が立つペグを使う必要があるんです。そうなのです。ペグの仲間にはいろいろなヤツがいるんです。

 たとえば、プラスチック素材のほかにも、アルミやチタン、ステンレスもあります。中空タイプだったり、鋳鉄の一本モノだったりもしますが、その断面が四角だったり、三角だったり、星形だったりと形状もさまざま。

 それによって強度を増したりしてるんですよね。また、ペグの側面に穴をあけることで地中での抵抗度合いを強めたりもしています。ペグに穴をあけるのは、もちろん、軽量化にも役立っているんですけどね。

 山用具の専門店にあるペグ売場に行けば、それこそ多くの種類がズラリとならんでいます。値段も安いものから高いものまでたくさんありますが、実際に手にとって形や重さを比べてみるといいでしょう。まずは、ペグの世界をじっくりと研究してみてください。

 さて、実際の山の現場では、同じものを一種類だけで揃えておくよりも、長短、硬軟を織り交ぜたさまざまなタイプのペグを、自分の「オリジナルセット」として持っているといいと思います。いつも決まった芝生のキャンプ場に行くわけではないでしょうし、いざ、山のテン場へ行こうとすれば、ペグの選択肢の幅は広いほどいいはずです。

 オリジナルセットは、こんな具合につくってみるといいと思います。一例ですが。

 基本は軽量のチタンペグを4本揃え、予備として本気のステンレス製ロングタイプを2本ほど。形は楔型のストレートピンに、すばらしい抵抗力を生み出すスクリュータイプを織り交ぜて。ここに細引きがあれば、完璧です。

 そう、細引きも大切なんです。ペグがどうしても使えないような場面では、細引きがペグの代わりをしてくれるんです。テントの四隅にあるループに細引きを通して、近くの大岩なり、木の幹や枝に括り付けておくのです。要は、テントが地面に固定されればいいわけですからね。そこは、ペグにこだわらずとも大丈夫。

 もうひとつ忘れがちなのが、ペグを打ち込むべきハンマーです。平地のキャンプ場が目的地であれば、大きめで頭の重いスチールハンマーが大いに役立ちます。プラスチックやゴム頭のハンマーでは、心許ない部分もけっこうありますからね。

 では、山の上ではどうするべきか。重くてかさ張る大ハンマーを持って行くこともできません。そんな場合は、荷物に余裕があるなら小型のスチールハンマーがオススメです。でも、極力荷物を軽くしたい人も多いことでしょう。そんなときは、いさぎよく現場に落ちている石を活用すべし、です。手頃な石を見つけて、ペグの頭をカンカンカンッと打ち込めるなら、それでヨシ。どうしてもペグが打ち込めないようであれば、細引き作戦に変更するのも一手です。

 山やアウトドアのシーンでは、時間と場所によって状況は刻々と変わりますからね。必要なモノは事前にしっかりと用意しつつも「現場力」を高めて対応することも大切なポイントです。

 そんなこんなで、「いつものペグ袋の中身」を今一度、チェックしてみてはいかがでしょうか? 

 今年の楽しいテント生活を思い描きつつ、ご準備を怠りなく。春はもうすぐ!

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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