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火星×土星×月×アンタレス=?

2016.05.17 Tue

火星接近にともなって夜空に展開される次の天体のスペクタクルは……? 天体望遠鏡国内シェア60%以上を誇るビクセンの広報担当/都築泰久さんの目で星空を見上げてみると、見えてくるのです。大きな大きな十字のクロスが。
      

 現在、火星が地球に接近していることは、前回の記事「ただいま、火星が地球へと接近中。火星を見るなら、この春が大チャンス!!!」でもご紹介した通り。そして、この火星を含み、土星と月、さそり座の一等星アンタレスが初夏の夜空に大きなクロス(十字)を描く日が近づいています。

富士山の上にクロスがあらわれたシミュレーション図。富士山のほか、ランドマークとなる都会の建物などと一緒に、この一夜限りのクロスを観察あるいは撮影してみるのもおもしろいでしょう

 クロスが見られるのは、今日から5日後の5月22日です。火星が地球に接近しているいまのタイミングでしか見ることのできない、美しい天体ショーとなるでしょう。

 さて、ここで4つの星について、観測ポイントの解説です。

◼︎火星〔Mars〕 
 今年の5月31日が地球最接近日となる火星は、いま、どんどん地球に近づいていて、夜空でたいへん明るく輝いています。地球接近時でないと火星は明るく輝いては見えません。今回のクロス、4つの天体どれもが明るく輝いてみえるのは、たいへん貴重なタイミングです。また、火星にはドライアイスでできた南極や北極があり、地球接近時であれば、こうした模様が見られるかもしれません。天体望遠鏡を使って、100倍以上の倍率でのぞくと、珍しい火星の姿をご自分の目で確かめることができるでしょう。

◼︎土星〔Saturn〕
 環のある不思議な姿が特長の惑星。その姿を天体望遠鏡で見ると、「きゃーかわいい!」の声が、星好きの宙ガールからあがります。土星と火星は、ともに夜の8時過ぎに東の空からのぼってきます。5月~6月初旬の深夜0時ごろ、南の空に明るい星があれば、そのなかでもっとも明るく輝く赤い星が火星、その近くで白っぽく輝くのが土星です。

◼︎月〔Moon〕
 地球の衛星である月は、満ち欠けをするとともに、その見える位置も毎日大きくかわります。今回の5月22日は満月で、火星、土星、アンタレスとともに美しいクロスを描きます。

◼︎アンタレス〔Antares〕
 さそり座にある赤い一等星です。アンタレスとは、アンチ(対抗する)+ターレス(火星/ギリシア語)、つまり、“火星に対抗する赤い星”という意味です。明るさでは接近中の火星に負けますが、恒星ならではギラギラと赤く輝くその姿は、まさにさそりの心臓が脈打つようです。

5月22日、夜8時ごろからこの大きなクロスは夜空に昇り始めます。深夜0時過ぎには南の空の見やすい位置にあるので、ぜひ、ちょっと夜更かしをしてながめてみてくださいね。

 今回の夜空を彩る華麗なクロスの撮影をお考えの方には、画角のシミュレーションができるビクセンのアプリ「『IntervalBook』」をおすすめします。事前に構図のシミュレーションが簡単できるので、ぜひチェックしてみてください。

夜空にクロスを描く5月22日の星空。「Interval Bookによるシミュレーション画面」

 また、5月10日にリリースされたばかりの惑星シミュレーションアプリ『Planet Book』なら、接近中の火星の位置を確認できるほか、木星の衛星の名前や土星の環の傾きなどもチェックできます。

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