- 山と雪
登山ガイド・岩田京子の7座目は、標高世界第7位。ダウラギリ8,167m──その2
2026.09.30 Wed
岩田京子 登山ガイド
標高約1,870m (地図上では2,080m)にあるバガールに到着。今夜はこの村唯一のロッジにお世話になる。明日からは歩いての移動となるためドライバーとはここでお別れとなった。車から降りて目の前に見えるロッジに向かう。その小さな建物には、中国から来たトレッキンググループがすでにチェックインしていた。そのグループでロッジの部屋は満室。彼らよりも遅く到着した私の部屋はなく、代わりに庭にテントを張るからそこに寝てください、とのこと。わたしは寝袋も持ち合わせているし、問題になる事柄もなかったので了承した。むしろ小屋のなかはたいていは暗く、隣の部屋の音が気になるのでテントのほうがリラックスできてよかった。夕食もテントまで運んでくれて、だれにも気兼ねなく過ごすことができ快適なひと晩だった。ネパールの山小屋(ロッジ、バッティともいわれる)は天候などでも行程変更になることも考慮して、予約制度というきちんとしたものがないのに等しい。予約をしていても先着順でお客さんが入っていたりすることもある。そんな場合は別の小屋を探したり、ダイニングなどとりあえず寝るスペースをなんとか確保するという手段が取られる。
初日の宿泊はテント。ロッジの部屋はほかのトレッカーで満室のため、急遽お庭の芝生に泊まることに……
4月11日、テントの外で賑やかな声が聞こえて目がさめる。中国から来たトレッキングチームの声だった。彼らは先を急ぐようで、早々と出掛けていったようだ。わたしが起床してテントから出たときにちょうど出発してくのが見えた。彼らと入れちがいでキッチンへと向かい、朝食を済ませる。そのあとパッキングをして、ポーターさんに荷物を預け、身支度を整えトレッキング開始。
今日からやっと歩きはじめとなる。わたしは隊に属していないため、ポーターさんとガイドさんとわたしという3人構成で進む。ポーターさんは同じ速度で歩くと疲れてしまうので、いっしょには歩かない。なのでガイドさんとふたりでのんびり進む。まずは水力発電の工事真っ最中の現場をミャクディコーラという川沿いの工事車両が通るガタガタの車道をひたすら歩く。ガイドさんは2年前にこの場所に来たことがあるようで、そのときにはこの車道はなく谷底から見上げた場所にある切り立った斜面につくられた細い道を歩いていたとのこと。その道はかなり歩きにくく時間がかかった記憶があるが、今回の歩く道はとても歩きやすいので時短になったようだ。途中、前方の谷間から雪山の高峰が顔を出しているのが見えた。全体像はわからないがおそらく標高7,751mのダウラギリ2峰だろうとのこと。そんな景色を見ているとだんだんと山に近づいてきているのを感じる。歩き始めから2時間ほどでバッティ(お茶屋さん)に到着。
いよいよベースキャンプに向けて歩きはじめる。水力発電の工事のおかげで歩きやすいミャクディーコーラ沿いだったが、工事中の落石でヒヤヒヤしながら歩く箇所も……
この日の道中には人が住んでいる場所がなく休憩できる場所がここしかないので、かなり早い食事ではあるがここで昼食を取ってはどうか? という提案があった。しかし、まだ9時すぎで早すぎるにもほどがある。だが、よかれと思って提案してくれたガイドさんの気持ちもわかる。ということで仕方なくインスタントラーメンを注文。ネパールでは軽食のような感じで食べられるのでたいていの場所でこのメニューがある。迷ったときにはよく注文する。キッチンでは薪を燃やして、注文したインスタントラーメンをつくってくれている。その脇でガイドさんは小屋の人と世間話をしているようだ。バッティのなかは日陰で冷えるので、わたしは陽の光が当たる外で待つことにした。同じことを考える野良のワンコといっしょに日向ぼっこをしながら、鳥の鳴き声、水の流れる音を聞きながら、午前中のひんやりした空気を頬で感じながらのんびりした時間を過ごした。ほどなくしてキッチンからできあがったばかりのインスタントラーメンが運ばれてきた。そのラーメンをすすり、食後に甘い紅茶を飲んでふたたび歩き始める。この日の宿泊地は「ドバンカルカ」。そこまではあと2時間くらいとのこと。
休憩したバッティにて昼食のできあがりを待つ間、ワンコと日向ぼっこ
今回歩いているのは、ダウラギリ周遊トレッキングルートの一部。人気のあるエベレスト街道やアンナプルナなどのトレッキングルートよりも少しハードなルートなのでトレッカーも極端に少ない。利用する人が少ないためか、宿泊できるロッジやバッティと呼ばれるお茶屋さんもほとんどない。なので体力や歩く早さによってはテント泊が必要になるルートだ。
正午には標高約2,520mのドバンカルカに到着。ここには3件ほどの大きめなロッジがあった。手前の新そうなロッジはトレッカー用で、それ以外のロッジは下流で作業している水力発電の工事関係者が宿泊しているようだった。この先はイタリアンBCまで山道となりロッジもないため、この日はここまでの行程となった。チェックインをして、午後はのんびり過ごす。「カルカ」とはネパール語で放牧地を意味する場所。その名の通りロッジの周りには牛が放牧されており、自由気ままにウロウロしている。この日はポカポカ陽気だったので、ロッジの外で日向ぼっこをしながら読書をする。14時過ぎごろから雨が降り始めた。ちょうど気温も下がってきたので部屋に戻り、ベッドに広げた寝袋に潜り込んだ。あたたかくなり、そのままウトウトと眠ってしまった。18時頃、夕食だよ〜とガイドさんが部屋まで呼びにきてくれた。
ロッジの部屋の前にはおとなしい水牛がウロウロしている。農耕用もしくは乳(ミルクやギー)を搾取するために飼われている
寝袋から出てキッチンに向かう。キッチンでは調理のための火のまわりに数人が集まり、晩酌をしていた。現地の人たちも寒かったんだな〜。と少し安心した。おいでおいで! と、座る場所をあけてくれる。そのなかに加わる。そしてほどなくして夕食が出された。お決まりのダルバート。ダルバートは調理するその人その人で味がまったくちがうので毎日毎食食べても、それぞれでおいしい。おかずとして街中ではお肉も出てきたりするのだが、山奥に入ってくると手に入りにくいため、たいていはジャガイモや菜っ葉などの野菜のみ。たまに大豆ミートなども出てくる。この日はなにやら見たことのないおかずが皿に盛られていた。「これはなに?」と聞くと「あなたはラッキーだよ! 今日は山からキノコをとってきたから食べて!」と笑顔で勧めてきた。う〜む……キノコか。食べても大丈夫なのか……? そんなことが頭を高速でめぐっていた。しかしながら、そこにいる人たちの視線からは、わたしがどんなコメントをするのか、期待を膨らませて待っている。この状況で食べないわけにはいかない。食べてもお腹が痛くなるだけだよな、死なないよねと願いながら、口に運んだ。
右下に盛られたキノコのおかずに緊張しながら食したダルバート
ひと口目、舌に痺れはない。吐き気もなかった。ドキドキし過ぎて味わうこともできずにゴクリと飲み込む。ふた口目、少し安心したのでしっかり噛んで味わうことができた。噛みごたえのあるおいしいキノコだった。ふと周りからの視線を感じ、それに応える。親指を立ててキッチンにいるネパール人全員に向かって「good! おいしいよ!」と告げる。すると静まり返っていた空気が一気にゆるまり、笑顔と会話がふたたびはじまった。毒キノコだったらどうしよう……と緊張していたのだが、そのあとはおいしく最後までたいらげた。ホッとしながら食後の紅茶を飲み終え、部屋に戻って就寝。トレッキングの1日目を無事に終えた。
4月12日。この日は、サラガリという場所に宿泊予定だったが、昨晩ロッジの人に聞いた情報によるといまの時期はひとがいないので宿泊することができないとのこと。ということで、その先のイタリアンBCまで歩くことになった。ミャクディコーラという川にかかる橋を渡り、ジャングルのような鬱蒼とした樹林帯を登っていく。樹々の隙間からネパールの国花でもある赤いシャクナゲがポツポツ咲いているのが時折見える。2時間ほど歩くと標高約2,850mほどのチャウルという場所に着いた。そこには手づくりの小さな納屋のような場所があった。「ナマステ」と声をかけると小屋のご主人が現れた。挨拶をして、ガイドさんとご主人が話はじめる。この先にはやはり有人小屋がないのでここでなにかを食べたほうがいいとの話らしい。メニューなどもなくなにが注文できるかわからないので、お決まりのダルバートを注文。出してくれた紅茶を飲みながら調理しているさまを見ながら待つ。まずは薪をくべて火を起こすところからはじまった。そして「一」からつくり始める。棚にある入れ物から豆を手にとり圧力鍋に放りこむ。水を加えて塩とスパイスを入れて蓋をする。しばらくすると圧力鍋がシューシューとおとを立て始める。ご主人さんはすぐに立ち上がり、近くの畑らしき場所に向かった。そこに生えているニンニクの葉っぱのようなものを摘んで戻ってきた。ダルスープに加えてくれるようだ。という具合に、待つこと30分ほどでやっとダルスープができあがった。ここからごはんを炊き始めるようだったが、ガイドさんと黙ったまま目を合わせ、ご飯はお断りする。思ったよりも時間がかかりそうだったので、スープだけをいただくことにした。
ご主人がていねいにつくってくれたダルスープをいただく。標高が上がり寒くなってきた身体にしみるおいしさだった
チャウルでの休憩を終え、先を急ぐ。途中、サラガリという場所を通りそこからゆっくり歩いて3時間ほどでイタリアンBCの予定。途中から歩く道にも雪が積もりはじめていた。順調に歩みを進め、約3,615m(MAP上では3,660mの表記)のイタリアンBCに14時ごろには到着した。積雪で歩きにくかったのと標高が高くなったせいなのか、ポーターさんの到着が遅れ、荷物はしばらく来ない。昼食も食べ損ねていたのでインスタントラーメンを注文して食べながら到着を待つことにした。空色はグレーに変わりパラパラと霰が降りはじめてきた。どうりで寒いわけだ。念のため自分で背負ってきた防寒着を着込みキッチンに入り込み、火にあたってあたたまる。部屋自体は広いのだが暖を求めて同じ場所に集まるので、部屋の片隅にある調理場の火のそばにみんなが集まり肩を触れている。時間とともに寒さも増してくるため、みな、火のそばを離れようとしない。お茶を飲んだり、トイレに出たりするくらいで、そのほかはたまに会話したり、無言で薪が爆ぜるのをじっと見つめている。

(上)イタリアンBC近くのルートは前日からの降雪により真っ白でした。(下)森林限界を超えた場所にあるイタリアンBCの全景。この場所はダウラギリ主峰の西壁の真下に位置する
19時ごろやっと動きがあった。夕食の時間のようだ。今日は水牛のスープとご飯の夕食。ありがたいことに今日はヘリコプターが飛んできてポカラから新鮮な肉が到着したという。偶然にもいいタイミングでおいしいものにありつけた! 食事をしたあと、紅茶をいただきながら身が芯からあたたかくなっていくのを感じていた。やはり人間はエネルギーを取り入れるとしっかりと内側からあたたまるんだ。薪などで身体の表面があたたまる感じとはちがったものを感じていた。夜、寝袋のなかであたたまるため、プラティパスにお湯を入れたてもらい、湯たんぽにしたものを受け取り部屋にもどる。お腹がいっぱいで横になれるのか心配していたのだが、湯たんぽのあたたかさのおかげか寝袋に潜り込んでしばらくすると、いつの間にか眠っていた。
4月13日、イタリアンBC滞在日。朝6時ガイドさんがコーヒーを持って部屋に来てくれた。部屋のドアを開けると外はすでに明るい。「ありがとう!」と言って受け取り、そのまま外に出て立ち話をしながらあたたかいコーヒーを飲む。6時半ごろ、ここまでがんばってくれたポーターさんは仕事が終わったのでいまから下山するとのこと。この先はヘリコプターでの移動になるため荷物運びは不要となるのだ。感謝と無事下山の願いを込め手を振って見送る。7時ごろ、朝食のためキッチンに向かう。この日のメニューはパンケーキとチーズオムレツ。この場所は下界から食材を積んでヘリコプターが飛んで来るため、ほかの場所に比べてかなり贅沢なメニューにありつける。おかげでオムレツにチーズを入れてもらえた! 朝食を食べ終えてもしばらくはキッチンに居座る。山の合間にあるこの場所は陽が当たるまでに時間がかかるので間接的な光で明るくはなっても、光線自体が届くまではまだ寒い。9時すぎ、やっと太陽光が当たりはじめ、だんだんとあたたかくなってくる。そして大事な自然光を活用し、ソーラーパネルを出して充電作業をはじめる。このあたりの山では電線が通っていないため電気はジェネレーターかソーラーパネルに頼っている。なので充電作業がとても大事。わたし自身も携帯電話やスマートウォッチ、ヘッドライト、イヤフォンなど、さまざまなものを充電するので太陽光線に頼らざるをえない。充電をしているあいだに、ずっと繋がっていない電波を探しに高台へ向かう。ロッジの主に聞くと、少し上がった場所でたまに繋がることがあるという。わずかな希望を持ち試しにいく。1時間ほどウロウロ探し続けるも撃沈。ほんの少し電波をキャッチすることができる場所もあったが、受信できず……。電波は繋がらないと分かってはいたもののやはりガッカリする。じっと電波が繋がるのを待っていると、太陽の光が身体にあたりポカポカしてじっとしていると眠くなってくる。電波も繋がらないので、そろそろ諦めるか〜と部屋にもどる。

(上)ロッジの部屋はこんな感じで清潔なベッドが並び十分なスペースがある。だが窓はなくドアを閉めると暗くなる。(下)充電用ソーラーパネル。今回は信頼できるGOALZEROのパネルを持参
時刻は11時をさしていた。キッチンからご飯だよ〜と声がかかった! 「んっ!? さっき食べたばかりなのに?」ランチなのか? よくわからないままに出されたダルバートを食べる。食後は庭に椅子を出して日向ぼっこをしながら読書をすることにした。ネパールのロッジは窓も少なく、電気も通っていないため寒く薄暗いことが多いので、太陽が当たっている日は外にいるほうが気持ちいいのだ。トレッキングしている最中でも村の人が軒先で座ってくつろいでいるのをよく見かける。そんな姿を真似して自然を有効活用するという時間がいまのわたしには心地よかった。14時ごろからまた雲が多くなってきた。ここ数日は毎日この繰り返しだ。昨日と同じくまた霰が降ってきそうだったので、ソーラーパネルを撤収し部屋に避難させる。やることもないので、あたたかさを求めてキッチンへと向かった。キッチンの薪は本当にありがたい。火にあたりながら紅茶を飲む。わからないながらもカタコトのネパール語と英語と日本語を交えながらなんとなくの会話をして、お互いの国の情報を話す。時折スマホで撮影した写真を見せたりすると会話も弾む。写真はイメージを伝えやすいので、どこの国で見せても盛り上がる。コミュニケーションにはとてもいいツールだと感じる。
そんな時間を過ごしていると時間はあっという間に過ぎていく。目の前の薪を使って、食事の準備が始まる。その様子を見学。本日の夕食ももちろんダルバート。おかずには水牛の肉を食べさせてくれるようだ。フライパンに油とスパイスを入れてあたためる。そのあと、野菜などを炒めて、最後に煮込んだ水牛の肉を加える。味を調整しておかずのできあがり。そのかたわらでは圧力鍋でご飯が炊かれている。標高のためなのか、速さを求めているのか、ネパールではどのキッチンでも必ずといっていいほど圧力鍋を活用している。ダルスープも水と豆とスパイス、油を圧力鍋に入れ、火にかける、あとは待つだけというシンプルさ。この3種ができあがるとお皿にたんまりとご飯が盛られ、脇にはこれまたたんまりとおかずが盛られ、別の器に豆のスープが盛られる。これらを各自で好きなように混ぜながら食べるのがダル(豆のこと)バート(ご飯のこと)というのだ。そしてたんまり盛られているにも関わらず、食べ終わる前におかわりを勧めてくる。きちんと断らないと、どんどん皿に入れてくるので注意が必要。ダルバートはお店で食べても食べ放題なのだ。なので毎回満腹状態となる。おいしいから食べてしまう自分がいて、毎回反省している。食後の紅茶を飲みながら、プラティバスの湯たんぽにお湯を入れてもらう。そして食後は片付けが終わるとすぐに寝ることもネパールでは通常。ということで、わたしもおとなしく就寝。
ほかには暖房設備がないため、食事も団欒もこの火のそばです。みんなで肩を寄せ合い時間を過ごすので自然と仲よくなるのです
4月14日。ビクラマ歴ではこの日が2083年の新年らしく、キッチンに行くと「HAPPY NEW YEAR!」と言われびっくり! ただ日本のようになにかをするということは特にないらしいが、えびせんをつくって振舞ってくれた。
高価なお菓子はありませんが、揚げたてのえびせんをいただきました。おやつとして出されたり、食前に出されたり遠征ではよく食べます。パリパリ、サックリでおいしい!
さて、わたしの予定では昨日は高所に到着した初日のレスト日で、今日はダウラギリBCに移動する予定だ。当初は1日かけて歩いて移動する予定だったのだが、落石や雪崩の危険があるとのことでヘリコプターでの移動となった。昼ごろにはヘリコプターが到着してそれに乗る予定だったので、パッキングを済ませて待機していた。が、10時30分すぎに連絡があり、ポカラ(街)の天気が悪く今日は飛ばなくなり、移動は明日に延期になった。自分がいるイタリアンBCは雲がなく問題ないのだが、歩いて来た谷間の下部にはたしかに濃い雲が湧いていた。ということで今日ものんびり決定! 早くダウラギリBCに行きたい気持ちはあるが、自分の力ではどうにもならないので身を委ねるしかない。エージェントの情報では、ダウラギリBCで待ってくれているガイドさんたちは今日Camp2まで行ったのだが、雪が多いので今日中にBCに下山するという話だった。上部でも天気はあまりよくないらしい。
仕方なく11時30分ころ、ダルバートランチを食べ、午後は読書というお決まりのルーチン。日の当たる場所で……としばらく外で過ごしていたが、次第に雨が降り始めた。強く降り出したのでキッチンに避難。天気はまだ悪い周期から抜け出せていないようだ。15時ごろクッキーとコーヒーを準備してくれた。みんなでティータイム。といっても朝からコーヒーや紅茶を飲み続けているのでお腹はタプタプ。雨が降ってやることもないのでロッジスタッフはみな、昼過ぎからテント内でトランプをしていた。雨が止んできた17時すぎにやっとテントから出てきた。その流れで夕食の準備に取り掛かる。わたしはやることもないので、ネパールの人たちの生活を観察するしかすることがなくなっている。食事の準備の様子を見ているとじつに手際がいい。毎日同じ手順なのだろう。昨晩と同じようにダルスープからつくりはじめ、お米を炊き、おかずをつくっていく。今回のおかずは大豆ミートとジャガイモ、近くで採れた葉っぱを乾燥させたものを蒸し焼きにしたもの。安定のおいしさのダルバートの夕食をいただきながら、明日のヘリコプターの話をする。明日はヘリコプターが早めにくるはずだから起床も早めに! とのことだった。おそらく朝の方が天気が落ち着いているのだろう。無事に来てくれることを願いながら就寝。

(上)この日の夕食は大豆ミートとダルバート。(下)調理前に大豆ミートをふやかし、ほかの野菜と炒めておかずになる
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