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日本のアウトドアの聖地で開催される「清里オーガニックキャンプ」のワークショップは野生の実践!

2022.06.21 Tue

 現在のキャンプをはじめとした日本のアウトドアムーブメントは、1970年代にアメリカからカウンターカルチャーやファッションとともにもたらされた! というのが一般的な認識ですが、今から100年近く前に、すでにアウトドアの実践の場となっていたのが、八ヶ岳山麓にある清里でした。

 関東大震災で崩壊した東京と横浜のYMCA(キリスト教青年会)を再建するために、1925(大正14)年に、米国のYMCAから派遣され、来日した米国人のポール・ラッシュ博士は、キリスト教の青年指導者養成のための訓練として、自然の中で寝食をともにして野外活動を行なうキャンプを奨励。キャンプは民主主義とリーダーシップのトレーニングの場でもあり、キャンプでは目標達成のためのさまざまプログラムやワークショップが行なわれていました。


清里を日本の再建モデルに
(上)八ヶ岳の山麓、標高1200mに広がる清里高原は、都心からも名古屋からもアクセスがよい。(下)清里開拓の父とも呼ばれるポール・ラッシュ。アウトドアをレジャーとしてではなくインクルージョンなカルチャーとして日本に紹介した(写真出典:いずれもKEEP協会HPより)

 ポール・ラッシュ博士は、その実践のフィールドとして山梨県八ヶ岳山麓の清里高原に目をつけて1938(昭和13)年! に、青少年訓練清泉寮キャンプ場を開設。しかし、その後、太平洋戦争が始まり、清泉寮は閉鎖され、ポールは米国に強制送還されてしまいます。しかし、終戦後、ポールはGHQ将校として東京に戻り、清里から日本の戦後復興に尽力します。清里に戻ったポールは「清里を日本の再建モデルに」というビジョンを掲げ、清泉寮をベースに、戦後日本の新しい農村のデモンストレーションとトレーニングのモデルセンターとして、日本の農山村の暮らしを再建するためのチャレンジを始めました。それは、「清里教育実験計画(Kiyosato Educational Experiment Project)」とも呼ばれ、現在、清泉寮を運営する公益社団法人キープ協会の名称は、その頭文字をとったものです。キープ協会ではここ清里をベースに長年にわたり、自然学校や環境教育を通し、アウトドアの実践と自然とともに豊かに暮らす持続可能な生活の実践を続けてきました。


実践的なワークショップはすべてインクルーシブ

 そんな日本のアウトドアの聖地とも呼べる清里で、2022年7月9日(土)、10日(日)の2日間「清里オーガニックキャンプ」が開催されます。このイベントは、30年以上にもわたり全国の自然体験、環境教育の実践者たちが交流を重ねてきた清里で、持続的でインクルージョンな社会をめざし、ひとりひとりの暮らしにつながるワークショップやトークプログラムが展開。ここ清里から、自分たちの暮らしや社会を見つめ直すチャレンジが再び始まります。標高1,200mの広々とした草原のキャンプ場を会場に、焚き火を囲んだミニライブなども実施。来場者も主催者も、多様なプログラムに参加し合い、交流を重ねることで相互に理解を深め、地域に根ざした暮らしを見つめなおす。そんなプロセスを大事にしたイベントとなるにちがいありません。アウトドアの醍醐味はまずは実践です。「見たこと聞いたことあるけどやったことないことをとことんやっちゃおう!」というコンセプトのもと、じつにさまざまなワークショップが四六時中、会場のあちらこちらで展開される予定です。どのプログラムに参加したらいいのか、あれもこれも参加してみたいプログラムがてんこ盛りの2日間のキャンプイベントです。


見たことあるけど、やったことないをとことんやっちゃおう! 
・長野修平 with UPI:スウェーデンクラフト工房&焚火料理ワークショップ

・宮武弘:ウクレレで歌おう!

・萩原ナバ裕作(岐阜県立森林文化アカデミー)morinos with 住友林業株式会社:
森から生まれたアソビ出前カー「morino de van(森の出番)」〜火をつくる〜

・谷口吾郎(岐阜県立森林文化アカデミー)morinocoナイフ with 岐阜県関市:
morinocoナイフでオリジナル竹トンボづくり&ナイフ研ぎ体験

・新津裕(岐阜県立森林文化アカデミー):ブリ縄体験

・山田証:森に寝転ぶコンサート&どんぐりコーヒーづくり ワークショップ

・金子潤:裸足感覚のサンダルづくり&はだしで森体験(Barefooting Forest)

・くるしまたろう with 絵本の仲間たち:絵本で遊ぼう&木と昔なガらの遊び

・キープ協会環境教育事業部:八ヶ岳産シカ角&シカ革クラフト

・田中義久 (schemed 1535):オリジナルキーリングづくり

・福田陽平(ピネル工房):ピネルの三脚スツールワークショップ

・シュミネル ピネット:ピネルのスマートボールビンゴゲーム

・笠倉秀貴(NPO法人国際自然大学校):バーベキューテクニック講座ほか

・松永華子(チームシェルパ):清里の羊の毛を使って糸を紡ぐ!「ドリームキャッチャー」&「ミニ織り機でコースター」


清里オーガニックキャンプ


●開催日時
2022年7月9日(土)10:00~7月10日(日)15:00(1泊2日)
※宿泊は新栄清里キャンプ場テントサイトでのテント泊です。
テント、寝袋等の宿泊に必要な道具一式 をご準備の上ご参加ください。
また、食事に必要な装備、材料をご用意ください。
一部食事を伴うワークショップがあります。(定員あり、当日会場にて受付)

●開催場所
新栄清里キャンプ場 〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-238

●チケット
2日通し券+テントサイト利用:10,000円
2日通し券(テントサイト利用なし):8,000円
1日券:7月9日(土)4,500円  7月10日(日)3,500円
※一部、有料や定員のあるワークショップがあります。

駐車料金:1,500円/1台
チケットの販売はコチラから

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