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250種の野遊びのテクニックを集積! カシオ計算機提供の「WILD MIND GO!GO!」を君は知っているか

2022.09.30 Fri

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宮原悠

宮原悠 農園プランナー・発酵クリエイター

 アウトドア業界に身をおいてウン10年。イベントやワークショップを提供するうちにある変化に気がついた。最近の子育て世代のビジターの多くが、子ども時代に濃密な自然体験をもっていない。

 20年ほど前はそんなことはなかったように思う。誰もが森で昆虫を捕ったり、清流でハヤを釣ったりする原体験をもっており、そんな体験をきっかけにしてアウトドアの世界へとやってきた。そして、それぞれが自分の好奇心の赴くままに自分の遊びを深めていった。

 この数年、アウトドア業界はキャンプブームに沸いた。以前ならキャンプのブームが来ればキャンプとつながるほかのアウトドアアクティビティも盛り上がったものだが、今回のブームはキャンプから先へと広がっていかなかった。私はこの理由を若い世代が自然の遊び方を知らなかったからだと考えている。自然の楽しみ方を知らないから、キャンプ場の外へと飛び出していけなかったのだ。

 40代以上の外遊び好きが子ども時代に当たり前に手にした野遊びは、それ以降の世代では当たり前ではなくなっている。地域ごとに楽しまれてきた「自然の遊び方」はもはや継承されていない。これは、アウトドアや自然に興味をもった若い世代にとって残念なことだと思う。キャンプは自然体験のゴールではなく手段程度のもの。本当に大切なのは、キャンプと組み合わせる遊びのほうなのだ。

 それでは、現代の子どもたちに野遊びを贈るにはどうしたらよいのだろう。自然体験をもたない大人は、どんな方法で子どもたちに遊び方を伝えられるのか。ここに紹介したいのは、そんな現代のアウトドア事情に一石を投じる、自然体験の総合ハウツーサイトだ。


WILD MIND GO!GO!ってなに?

 そのサイトの名は「WILD MIND GO!GO!」。提供するのはPRO TREKなどでおなじみのカシオ計算機である。「人類をちょっとワイルドに!」というキャッチコピーのもと、自然にまつわる各ジャンルのエキスパートたちが、それぞれが得意とする自然体験を紹介している。

 扱われるテーマは多岐にわたる。動植物の観察のテクニックがあると思えば、昆虫やザリガニを食べる記事があり、自然界にひそむデザインやアートをひもとく記事もある。現在までに約250種の自然体験が紹介されており、大人、子ども、都会、大自然と幅広い年齢層とフィールドをカバーする。それらのひとつひとつをエキスパートが解説しているので、実際にチャレンジができなくとも、どれも読み応えがあるものばかりだ。

 ……と述べたところで言いにくいが、実は私もライフワークの発酵や狩猟の知識を生かした記事を寄せている。執筆陣には、私がお世話になっているアウトドアズマン諸兄も名を連ねる。WILD MIND GO!GO!は、アウトドアや自然科学の世界のプレーヤーたちを呼び集めて編集されているのだ。


WILD MIND GO!GO!の目指すもの

 自然科学、漁労、採集、生活技術、アート……。どの記事も軸足こそ自然に置かれているが、ジャンルはさまざまだ。どのような編集方針を取っているのだろうか。

「通底するものはサイトの立ち上げから変わっていない」と話すのは二代目編集人を務め、自身もライターとして記事の執筆もしている藤原祥弘さんだ。

河原で拾った素材で摩擦発火中の藤原さん。生き物の採集や野外での生存技術に長けた藤原さんは、ライターとして関わったのち二代目編集人として記事を取りまとめている。

「発足以来、WILD MIND GO!GO!は『自然体験を通じて生き物としての力を取り戻す』というコンセプトを掲げています。文明が発達した現代、望まない人は自然と関わらなくても生活を営めるようになりました。先進国のほとんどの人は都市とそれにつながるシステムに生かされ、自分で食料を集めたりはしません。しかし、どれだけ社会が複雑になっても人間の生身を養う根本はほかの生き物であり、その生き物を養うのは自然環境にほかなりません。WILD MIND GO!GO!では、自然から離れてしまった現代人に再び自然と関係を結ぶためのヒントを提供したいと思っています」

 サイトのコンセプトの大きさゆえ、自然に関するテーマなら何でも入れられるものの、かえって難しい部分もある、と藤原さんは笑う。

「私が編集を担うようになったのは2022年度の4月からです。引き継ぎ以前と同様、どんな記事をつくるのか、どなたに書いていただくかはカシオ計算機の運営者と相談しながら決めていますが、正直なところ、テーマを決定するだけでとてもたいへんです。キャンプや登山、アウトドア料理といったふうに方向性が絞られる場合と違って、ひとつひとつのテーマを0から考え、記事の執筆者にWILD MIND GO!GO!にマッチする人を探さなくてはいけませんから。しかもカシオ計算機の運営者は常に『その遊びはどんな学びを秘めているのか。実践したら何を得られるのか』と問うてくる。学びがあること、読み物として面白いこと、多くの人に受け入れられるテーマであること……。毎度、四苦八苦しながら記事をつくっています」

生き物のなかには紫外線を浴びると発光するものがいる。紫外線ライトを当てることで、肉眼とはまるでちがう姿を浮かばせる遊びを写真家の渡邉智之さんが紹介。身近な自然にひそむ不思議の解説もWMGGの大事にするテーマだ。

 制作側の事情とは別に、アウトドア業界全体の傾向も記事づくりに影響している、と藤原さんは話す。

「2000年代までのアウトドア雑誌は最新のギアやトレンドを紹介するかたわら、素朴な野遊びの記事も掲載していました。野鳥の観察やビーチコーミング、昆虫採集、発酵食品づくり……。誌面の数割を野遊びの記事が占めていたと思います。そしてそんな記事が入り口になって自然愛好家の層を厚くしていました。より専門的な世界へと入門者を導く呼水にもなっていました。しかし最近のメディアは商品紹介のような消費を後押しする記事が多い。野遊びの情報がごっそり抜け落ちているんです」

 試しに手元にある雑誌やいくつかのアウトドアメディアを開き、記事を「消費」と「学び」のどちらに属するか分類してみた。確かに消費に属する情報が圧倒的に多く、自然そのものを楽しむ記事は少ない。

「野外活動の入門者が、何か素敵なことが起きそうな予感をもって門戸を叩いても、今は戸を開けたとたんに消費を煽る情報に絡め取られてしまいます。本当は火を操る技術や野山で眠る術を知りたかったのに、それに気づく前に焚き火台やファミリーテントを買わされてしまう。そして、自分が望まないものを渡された人は『これじゃない』と離れてしまいます。今、アウトドアの世界を見回してみると、野遊びにフォーカスして紹介するメディアはWILD MIND GO!GO!だけになってしまいました。こうなるとサイトは公共性さえ帯びてきます。自然の不思議に興味をもった入門者をその人の興味に合った世界へと案内できるよう、できるだけ幅広いジャンルの自然の楽しみ方を集積したいと思っています」

 過去の記事を読み返し、さまざまな分野のエキスパートに記事の執筆をお願いするうちに、藤原さんはあることに気がついたと言う。

「自然現象や生き物の観察、野生食材などの資源の利用、登山などのアウトドアスポーツ……。自然の楽しみ方はあらゆる方向に分化していきますが、それぞれの道を深めた人はみな、最後はまた同じ場所に集うように感じています。自然を貪らず、資源の利用量を最小に抑えながら楽しみの最大化を目指すのはエキスパートのみなさんに共通する姿勢です。自然は循環をモデルとしていて、季節がひとめぐりするとまた元に戻ります。そんな世界に向き合っていると、生き方の指針も自然のサイクルに近づいてくるのかもしれません。WILD MIND GO!GO!はハウツーを紹介するだけでなく、達人たちの至った自然利用の結論もにじませています。自然との関係性を取り戻すツールとして活用してもらいつつ、そんなエッセンスにも気づいてもらえたら嬉しいですね」


編集人厳選! Akimama読者に読んで欲しい野遊び5選

1 日本のロックバランシング「石花」に挑戦 石を立ててみよう!
たかが石積みと侮るなかれ。あり得ない組み合わせやバランスで、石がピタリと静止した時の感動は、まさに野遊びの原点。大人も子どもも誰にでも気軽にできて、奥の深いプリミティブな自然アート、それが石花だ。



2 葉脈標本を作ってみよう!
繊維束である葉脈を残して葉を溶かすと、自然の作り出す綺麗な模様が浮かび上がる。こうしてできた葉脈標本は額に入れて飾ってもよし、これを元に創作物を生み出すのも楽しいだろう。野遊びには無限の可能性がある。



3 ナイフ1本で火起こし!きりもみ式発火に挑戦
藤原編集長の渾身の野遊び。いつの時代も火起こしが上手い奴は尊敬される。自然にあるものだけで火を起こす、それを可能とするのはシンプルだが奥深い技術だ。一朝一夕では成功しない、それも野遊びの醍醐味である。



4 世界共通の調味料 魚醤作りにチャレンジしよう!
僭越ながら私の野遊びのご紹介。発酵保存食は電気のない時代から受け継がれてきた暮らしの知恵だ。自然の恵みを粗末にすることなく、利用する。これもアウトドアズマンの心得の一つではないだろうか。



5 静かに歩き、静かに眠る。ULハイキングにスモールキャンプを学ぶ
我々が自然負荷を最小限に抑えながら野遊びを楽しむにはどうしたらよいのか。その問いにヒントを与えてくれるのがULハイキングだ。ULハイキングは洗練された軽量な道具が注目されがちだが、北米アウトドアカルチャーが醸成した低負荷型の自然利用の精神にこそ価値がある、と土屋さんは解説。

宮原悠

宮原悠 農園プランナー・発酵クリエイター

小規模農、発酵食、釣り、狩猟などを主軸に、食とアウトドアを融合した生活技術を提案。カシオ計算機 WILD MIND GO!GO!アンバサダー、全国を股にかけたアウトドアイベントの運営や、アウトドア雑誌、メディアなどで活躍。

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