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【海外】ひとり “ダッシュ村” !? 自然の材料だけで小屋を建てる青年が話題に

2016.04.19 Tue

 ツェルトを立てるだけで四苦八苦してる自分からすれば、まともな道具もナシに小屋を作り上げるなんて信じられません。

 2015年5月、この動画が公開されたときにはネット上でも「あのブッシュマンは何者なんだ?」という声が飛び交いました。彼が誰なのかは分かりません。名前を明かしてないからです。が、コメントなどから察するに、どうやらオーストラリアに住んでいるようです。

 投稿者の名前は「Primitive Technology」、つまり「原始的技術」。彼は現代の工具も素材も使わず、自然の中にあるものだけを使ってさまざまなものを作りだし、その様子を克明に記録してテンポのいい編集で見せていきます。

 最初に投稿されたのは、まったくのゼロから小屋を建てる様子。途中で泥をこね始めたときには何が始まるのかと思いましたが、それがある道具になり、次の作業に繋がると分かったときは衝撃的でした。何という先読み。そして、何かを作るために必要な道具を作る準備として何かを作るという、マトリョーシカのような入れ子構造。もの作りとは、まさにプリミティブな技術と根気を積み重ねた行為なのだということを思い知らされます。そして、なるほど生きていくチカラというのはこういうことなのかと感心させられることになるのです。


いきなり現れた青年が、石をカチカチいわせていると思ったら。実はアレをアレするためにコレをちょっとナニしていた、というわけです。え? それでアレやるの? って感じ


  • このタイミングで火おこしですか?wwww と思っていたら! 何かをするために道具を作る。そのためにまずはこれをやる。テクノロジーは先読みが肝心のようです

  • 最終的には壁もできあがります。木を骨組みに土を利用。うわ〜、これってFRPと同じ構造じゃんね。現代テクノロジーも森の技術も、基本的な原理は同じでした

 ちなみに、動画のコメントにはこんなことが記されていました。

・小屋は自然に存在する材料と原始的な道具だけで作った。
・使ったのは木を伐るために石斧、キリモミで火をおこすためにモミ木、水くみに使う壺を作るために粘土を掘った掘り棒だけ。この道具も自然の中にあったもの。
・小屋は2メートル四方の大きさで、壁の高さは1m。梁の高さは2メートル。内部には幅は1メートル弱のベッドを据え付けた。
・最初の4ヶ月、屋根は葉っぱで葺いていたが腐ってしまった。そこでペーパーバークの木の皮でふき直した(バークの木は表皮を剥いでも枯れませんのでご心配なく)。
・小屋の中に煙が溜まらないようにするために、小屋の外に火床と煙突を作った。
・この小屋を創りあげるのにかかったのはトータルで9ヶ月。けれど、途中で何ヶ月か留守にしていた。実質の作業日数は30日くらい。

 ナイフの一本も持たないままで自然の中に立って、9ヶ月後にはこの小屋を完成させる。そこに言い難いドラマ性と冒険心を感じ、「うお〜〜〜、オレも小屋作りたい!」とワケの分からない情熱をほとばしらせてしまうAkimamaスタッフなのでありました。

 

Building a primitive wattle and daub hut from scratch

タイトルにあるスクラッチとは、模型の組み立て手法のひとつ。プラモデルのようにあらかじめ部品の形が作られているものは「キット」と呼びます。それに対して、部品を材料そのものから作りだし、自分のイメージと技術で組み立てるのが「スクラッチ」です。この動画で繰り広げられているのはまさにスクラッチ。ここまでできたら楽しいだろうなぁ〜〜

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