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【海外】愛犬と60日間のデザートバックパッキング 「Ace and the Desert Dog」

(2016.05.24)

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 9分ちょっとのムービーですが、見終わった頃には犬と一緒に旅に出ることを想うようになるかもしれません。

 フォトグラファーとして30年以上のキャリアを積んできたエース・クヴァーリはひとつのプランをたてました。2015年秋、60回目の誕生日のお祝いに60日間のバックパッキングに出ることにしたのです。

 行程は400マイル、つまり640km以上。そのほとんどはオフトレイルで道はありません。画面に映し出されるのは、岩だらけの荒れ地。そう、エースが選んだフィールドはユタ州のキャニオンカントリーと呼ばれる荒野でした。

 セクションのいくつかは友人たちが付き添ってくれました。中には30日以上も同行してくれた友人もいます。けれど最初から最後まで共に荒野を歩いたのは最愛の友であり、デザート・ドッグとして常にエースの足もとで走り回る「ゲンギス・カン(=Genghis Khan 日本語ではチンギス・ハン)」です。

エースとゲンギスが歩くのは、こんな岩だらけの荒野。食べ物に苦労し、水に苦労し、ゲンギスは長い旅に疲れてしまいます。けれどけなげにエースに寄り添い、しっぽを振りながらついてくる。そしてこの岩を降りながら、エースはゲンギスに呼びかけます。「さぁ、家に帰ろう!」(「Ace and the Desert Dog」よりキャプチャ)

 映像は「Vasque Footwear(ヴァスクフットウェア)」が制作したもの。壮大な風景や美しい音楽と共に届けられるのは、エースとゲンギスとの深い深いコミュニケーションのドラマです。

 ムービーの中でエースはこう語ります。
「クライミング、カヤック、スキー。これらはみなセクシーだ。だけどバックパッキングは違う。ちっともセクシーじゃない。むしろ苦行と言ってもいいくらいだ。
 そのバックパッキングは特別な場所にたどり着く唯一の方法だ。他のどんな手段でも、あそこに行き着くことはできないだろう」

 エースにとってバックパッキングは楽しみであり、自分を見つめる重厚な時間であり、特別な場所にたどり着く崇高な手段です。この旅に、エースはゲンギスを伴ったのです。60日を犬の時間に当てれば1年以上になるといいます。この「長い長いお散歩」を楽しむかのように、ゲンギスはエースの前を、後ろを、しっぽを振りながら楽しそうに歩いて行きます。その存在が、エースの心にどれほどの豊かさを与えたか。

 エースがゲンギスと出会ったのは2005年の12月。病に疲れ、人生に辟易し、生きることに気力を見いだせなかった彼が出会ったのは、捨てられた子犬の新聞記事でした。そこでゲンギスと出会ったのです。

 エースに再び歩く気力を与え、60歳の青年(!)を60日のオフトレイルバックパッキングに向かわせるほどの力。それをエースはゲンギスから貰っているかのように話します。
「犬を愛することでたくさんのことを学ぶよ。面倒を見ることで、自分がいいやつになっていける気がする。ヤツらは、少しのんびりした生き方を取り戻す手助けもしてくれるんじゃないかな。時間を取って遊んでやってることもあるけど、それは自分自身が遊ぶ時間を取り戻す極上の言いわけでもあるんだよ」

 ラストの「インターネットに猫の画像が溢れている理由」もクスッと笑わせてくれます。例によって、YouTube画面上の字幕をオン、自動翻訳で日本語を選んでみてください。いや、ストーリーなんて不要かもしれません。ゲンギスのまなざしやエースの表情だけで、そこに溢れている愛情をじゅうぶんに感じ取ることができますから。

■Ace and the Desert Dog - from Vasque Hiking Footwear

 
 
ライター
Akimama編集部
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