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必見!北米大陸、知られざる森と湖の世界。写真家:大竹英洋写真展「ノースウッズ-生命を与える大地-」 絶賛開催中!

2020.11.20 Fri

北村 哲

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

 写真家・大竹英洋さんの写真展「ノースウッズ-生命を与える大地-」が、東京・ミッドタウンにあるフジフイルム スクエア内、富士フイルムフォトサロン東京にて開催中だ。

 実は本展示会は、今年2月21日より開催されていたのだが、新型コロナウイルス感染症対策による臨時休館のため、開催から一週間で中断されてしまったもので、なんと会期を改めてただいま開催しているという特例の写真展なのだ。不測の事態だったとはいえ、同年内に同じ場所で再び開催されるという、フジフイルムサイドの心意気にも熱いものが感じられた。

設営時の一コマ。2月の展示会の記憶が蘇る

 この写真展と同時に発売された写真集に関しての見どころなど解説は、こちらの記事を一読いただきたい。

 北米大陸、知られざる森と湖の世界「ノースウッズ」を20年撮影してきた作品を再び大型パネルで見る事ができるというのは、前回訪問された方も写真展のことを知らずに写真集をみた方にとっても朗報だろう。

 今回の写真展では、幅1.5メートルを超える大判パネルやパノラマサイズの作品も多く見ることができる。これらの作品の発表の仕方について、大竹さんのこだわりを聞いた。

銀塩の大型パネルで見る、シンリンバイソン。この会場で、実際にみていただきたい一枚

 写真集では、見開き裁ち落としで発表しているシンリンバイソンの写真は、迫力ある大型パネルで展示されている。この写真は、2010年の夏に撮影したそうで、荒野の中を年老いたバイソンが一頭ぽつんと歩いているのが別の惑星のようにもみえる印象的な作品だ。

 また、狼の写真は3点横並びに展示してある。それぞれ撮影した年、場所、シチュエーションが異なるが、大竹さんが写真家になるきっかけになった狼を20年かけて追い続けた成果だ。

 撮影時から「いつかこんな形で発表したい」というイメージがあって、大事にあたためてきたそうだ。それは、展示の際のサイズであったり、写真集で見開き裁ち落としで発表したかったなど、明確なイメージがあって、そのこだわりを達成できたのが、今回の写真展であり、写真集でもあるという。

大竹さんがみているのは、なんとイリー周辺で撮影した狼の写真。2018年の撮影時、シャッターをきりたくて焦る気持ちをグッとこらえ、狼の群が獲物を食べ始めるまで息を潜めて、かなり遠くから望遠レンズで、シャッターチャンスをうかがっていたそうだ。それは、過去に何度も撮影に失敗をしてきた、自然界の生き物たちとのやりとりの経験からだと話してくれた

 大竹さんは、撮影した瞬間は個人的な感動があっても、なるべく冷静に目の前の光景を写真に置き換えることに集中するように心がけているそうだ。それは、興奮したまま撮影すると気持ちが高揚している時のラブレターのようなもので、一晩たって読んでみたら恥ずかしいと思ってしまうようなことになってしまうかもしれないからだという。

 また、写真展会場で作品を見た人と語り合うライブ感の中でこそ、すばらしい瞬間を撮影した喜びを分かち合って、初めて喜べるという。「会場にもできる限り滞在して訪問していただいた方と話しますし、スライドショーをたくさんの人に見てもらって感動を共有することはとても嬉しいことなんです」とはなしてくれた。

 それは、写真集のキャプションにも現れている。ノースウッズの森の春・夏・秋・冬の流れに気を使って構成された展開をぜひ楽しんでいただきたい。

動物の目線を捉えた写真を見てほしい。自然の中で動物とは会うことも難しいし、すぐに逃げてしまうので表情を撮影することは、更に難しい。上段:左)ムース、右)カラフトフクロウ、下段:左)アメリカクロクマの子グマ、右)カナダオオヤマネコ

 写真展と写真集、20年撮りためたノースウッズの作品を発表するにあたり、ジム・ブランデンバーグ(写真家)氏、ソファイア・ラブロースカス(カナダ先住民アニシナベ)氏の2人は、欠かせない存在であり、写真集を作ることになった時に、最初に連絡して会いに行ったそうだ。

「賞賛に値する視覚芸術家としてのみごとな成熟──まさしく情熱の一冊だ。」
──序文:ジム・ブランデンバーグ(写真家)

「彼のおかげで、わたしたちの物語にもうひとつの地平が、つけ加えられたのです。」
──寄稿:ソファイア・ラブロースカス(カナダ先住民アニシナベ)

 この写真展をみに行く前に、写真集を持っている方は、ぜひもう一度キャプションまで見直してから訪問していただけると、より深く楽しめることは間違い無いだろう。

ジム・ブランデンバーグ氏が称賛していたウッドランドカリブーの写真を見上げる大竹さん。大竹さん曰く、この時の撮影は、本当に至近距離で撮影できたそうで、時間をかけてゆっくりと距離を詰めていったとのこと!

 コロナ禍だが、展示会場は換気、消毒など感染拡大防止策を徹底している。ぜひ、この貴重な機会に銀塩大判プリントの質感と迫力を会場で、たくさんの人にライブで味わってほしい。

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北米大陸、知られざる森と湖の世界。
富士フイルムフォトサロン若手写真家応援プロジェクト
【写真家たちの新しい物語】
大竹英洋写真展「ノースウッズ-生命を与える大地-」

期間:20年11月13(金)~26(木)
場所:フジフイルム スクエア / 富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2

当初予定していた館内併催イベントは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止なりましたが、なんと今回の展示期間中に「写真家によるギャラリートークムービー」を公開しています。こちらの映像で会場の雰囲気や写真の解説をお楽しみください。
「写真展の鑑賞ガイド」にて公開中!

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初写真集 大好評発売中!
大竹英洋写真集 『ノースウッズ-生命を与える大地-』
前文:ジム・ブランデンバーグ(写真家) 寄稿:ソファイア・ラブロースカス(カナダ先住民アニシナベ) 価格:2,500円+税
サイズ:B4変形(238×240×17mm)
ページ数:216
刊行:クレヴィス

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■プロフィール
大竹英洋(おおたけ ひでひろ)

1975年京都府舞鶴市生まれ。東京都世田谷区育ち。一橋大学社会学部卒業。1999年に北米国の湖水地方「ノースウッズ」をフィールドに野生動物、旅、人々の暮らしを撮影。人間と自然とのつながりを問う作品を制作し、国内外の新聞、雑誌、写真絵本で発表している。主な写真絵本に『ノースウッズの森で』(「たくさんのふしぎ傑作集」)、『春をさがして カヌーの旅』(「たくさんのふしぎ」2006年4月号)、『もりのどうぶつ』(「こどものとも 0.1.2.」2009年12月号)(以上、すべて福音館書店)などがある。また、2011年3月NHK BSの自然ドキュメンタリー番組「ワイルドライフ」に案内人として出演。写真家をめざした経緯とノースウッズへの初めての旅を綴ったノンフィクション『そして、ぼくは旅に出た。――はじまりの森ノースウッズ』で第7回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。2018年「日経ナショナルジオグラフィック写真賞 ネイチャー部門最優秀賞」受賞。

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北村 哲 アウトドアライター、プランナー

登山、スノーボード、キャンプ、フェス、旅好きのフリーライター。プランナー/ディレクターとして、アウトドアやスポーツ関連のカタログ、映像、イベント、アーティストコラボ商品などの企画制作も行う。富士山好きで、吉田口の歴史や登山道に詳しい。

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