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北の悪路で高いパフォーマンスを発揮する隠れた逸品

(2014.10.19)

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片足38本のピンが埋め込まれたソール。突起状のブロックパターンにより、クッ ション性はいい。ただし、屋内など床材によっては傷つくうえ、濡れ たまま放 置するとサビが移って家人に怒られることも

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価格は2500円前後から1万円オーバーまでと幅広い。廉価版の中にはスパイクが抜けやすかったり、ゴムが弱かったりするものある。写真はゴムのオカモトの「YOSHIMUNE+」(実売4000円程度)。胴にアラミド繊維をラミネートし、引き裂き強度を高めている

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フィット感はインソールと靴下で調整。長靴はカップ型のインソールを入れると 足の安定感がグッと増す。内部で足がずれるのが嫌な人は、土踏まずと 甲、踵 をテープなどで8の字に締めるといい

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登山靴で飛び石伝いに渡ろうとしてスッテンドボンというような場面でもへっちゃら。浅い徒渉が連続するようなコースでは特に威力を発揮する

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対応場面の懐の広さは、この先どんな状況が出てくるかわからない地味な山、荒れ気味の山でも安心感をもたらしてくれる。ただし、スパイクが路面や植生に与えるインパクトを考慮し、入山者の多いメジャールートでの使用は控えるべきだろう

 皆さん、お待たせしました。いいもの先取り、アキママチャンネルのお時間です。

 いきなりですが、今回ご紹介する商品、正直申し上げて場所も使い方も選ぶ、少々クセのある商品になります。整備された登山道では必要ございませんし、また、登山道の浸食が問題になっているようなコースや木道ではご使用を控えるよう最初にお願い申し上げておきますね。

 さて、その商品ですがこちら、
「スパイク長靴」と申します!

 一見、普通のゴム長みたいですが、見て下さい皆さん、このソール。わかりますか。た〜くさんイボイボが付いてますね。さらに、ピンのようなスパイクが飛び出しています。これがぬかるみやヌメった河原の石、草付き、氷結路面なんかをギュギュ〜ッとグリップするんです。元は林業など山仕事のプロたちが、滑りやすい急斜面や岩場で使うためのものですが、そのハイパフォーマンスに目を付けた一部の釣り師や山菜採り、そして山ヤの間で密かな人気を誇る商品なんです。

 私もですね、実際にスパイク長靴愛好家が多いと言われる北海道で体験して参りました。皆さんご存じですか、北海道の山というのは「登山道がある」といわれていても、ちょっとマイナーな山では笹や夏草が被っていたり、沢沿いをへつったり徒渉を繰り返すなんてことが珍しくないんですね。それから春先。残雪に融雪、ぬかるみ、もうグッチャグチャです。そんな場所をオールマイティにこなせるのが、このスパイク長靴。登山靴の防水とかスパッツ装着とか考える必要なし。スポンと履くだけでもうOK。どうです、手軽でしょ?

 ただしですね、皆さん。最初にも申し上げましたが、いいことばかりじゃありません。まず第一に蒸れます。寒い時期は汗冷えしにくいウールの靴下との併用をお奨めします。次に登山靴のようなフィット感やホールド感、これも今ひとつです。とくに重い荷物や長い下りでは靴擦れや爪を痛める可能性もありますから、気をつけて下さいね。さらに、舗装路など硬い路面ではスパイクがグニョグニョと腰砕け状態になって少し歩きにくくなります。

 フィールドや使い方には注意点もございますが、とりあえずどんな悪路面でもそれなりに対応してくれるこちらのスパイク長靴。ヤブ漕ぎや沢沿い、融雪期をはじめ、情報が少ないマイナールートで強い味方になってくれることでしょう。お求めは作業用品店や釣具店などでどうぞ。

(文・写真=長谷川哲/山登り、自転車旅などを得意とする北海道在住のフリーライター。著書に『北海道16の自転車の旅』(北海道新聞社)。また『北海道夏山ガイド』(同)の取材スタッフとして道内の山を歩いている)

 
 
ライター
Akimama編集部
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