• 道具

生まれ変わったドイターのフューチュラを幕山で徹底インプレッション! のはずが、なぜだか楽しいお花見登山

2018.04.18 Wed

 寒かった冬の記憶も早や遠く、あっという間に春爛漫。4月というのに25度を越すこの夏の陽気に、今年の夏を思いやる。暑そうですね、この夏も!

 でも、だからこそ、背中だけは涼しくありたい!! と、ドイター伝説の納涼パック、エアコンフォートシステムを使ったフューチュラシリーズの最新作を山でトライして来ました。結論から言うと、背中の涼しさはもちろんのこと、背負い心地もフィッティングも旧作よりも格段によくなっていて、びっくり。

 このインプレッション企画に参加してくれたのは、フェス好き20代女子の清水 茜さんとドイターを手掛けるイワタニ・プリムスから中野しおりさん。中野さんには、新しくなったポイントを実践で教えてもらいました。
左の茜さんは、キャンプよろず相談所のメンバーでもあり、フジロックやアラバキやロッキンなど、名だたるフェスにスタッフとして参加しています。山にはもっともっと登ってみたいです! ととびきりの笑顔に。中野しおりさんは、1年前にイワタニ・プリムスに入社。現在、広報/マーケティングの部署でドイターを担当しています!

 女子二人+αで向かったのは湯河原の幕山。東京近郊のクライミングゲレンデとして、そして湯河原梅林でも名高い山ですよね。ちょうど梅の季節が終わったあとだったので、山はのんびり人影もまばら。春らしい新芽に包まれ、ほんわかとした気持ちのいい一日です。
いやはや、春です。梅は終わっても山は花でいっぱい! 足元にはスミレ、見上げればサクラ。淡い春色に包まれながら、ゆっくりと歩を進めます。
幕山といえば、コレですよね。平日の午前中というのに、クライマーたちは真剣に岩と会話をしてました!

 歩き出しは透き通るような空気感に包まれ、足元には可憐な紫色のスミレたち。見上げれば、そそり立つ幕岩にピタリと張り付くクライマーたちの姿。うん、今日は低山ハイク日和です……と、思えたのはじつは最初のワンタームのみ。そよよと吹き抜けてくれるはずの海風はなく、標高を稼ぐとともに、やがてジットリと汗ばむような初夏の陽気になってきた。

 でもこの陽気、実験にはもってこいでしょ。これならばヨシ! むしろ、フューチュラ日和とでも言うべきです。
あまりなじみのない花々に目を奪われ、なかなかドイターに話が向かないのですが……いやいや、ここは花を楽しむべきですよね。茜さん、ちなみにその可憐な釣鐘の花は、キブシですよ〜。

「もうこんな季節なんですね。汗ばむわぁ」と、茜さん。いやいや、だからこそフューチュラなんですって! 背中のほうはどうですか?

「あ、意識してませんでした(笑)。たしかに涼しいかも!!」

「そこまで暑いという季節でもないですけど、たぶん、新しくなったエアコンフォートセンシックシステムが効いているんです! 茜さんの背負っているフューチュラ28SLは、左右と下の3方向からの空気の流れを考えて設計されているんですよ」

「あっ! 本当だ。スーッと風が抜けている感じで、サラサラ感がハンパない」

 中野さん、でもそれって、もともとのフューチュラのコンセプトですよね? と、突っ込む編集担当。「どこが変わったんですか?」

「背負ってみればわかります!」と言われ背負ってみると。

「あ、例のボヨンボヨンがないですね」

「そうです、そこがまず第一のリニューアルポイントです!」

 ボヨンボヨンってなんでしょうという茜さんに、旧モデルを背負ってもらう。と、「あ、ボヨンボヨン」
春の陽気のせいでしょうか。旧モデルのフューチュラを背負った二人はボヨンボヨンが楽しくなってしまったのか、山中を駆け巡ります。満面の笑みで。茜さん曰く、「でも、このボヨンボヨンも悪くないですよ。そんなに気にならないかも」

 フューチュラのいちばんの特徴は「空気の循環」。旧モデルではメッシュパネルそのものにショルダーストラップが直接取り付けられていました。なので、ガッツリと荷物を入れた場合、その荷重が振動となり、歩く度にボヨンボヨンという軽い反動を感じることがあったのです。

「それが悪いというわけではないのですが、やはり少しは気になるという声はいただいていました。ならば、フューチュラの醍醐味を損なわずに、この振動を軽減させようと改善されたわけです」

 新旧の背面パネルを比べてみれば、一目瞭然! 新作のショルダーストラップは背面本体から生えています。メッシュパネルはストラップを避けるかたちでデザインされ、空気の循環は損なわれる心配もなさそう。
左上の写真中、左が大きくリニューアルしたフューチュラの新作。右の旧作はメッシュパネルそのものから“生えています”が、新作は本体から。さらに、このショルダーストラップは、付け根から自在に動くのでユーザーの肩幅や角度にもしっかりとフィットします。左下の写真は、パネルの左右に縁取られたパッドです。ヒップベルトまで一体化しているので、しっかりと身体を包み込んでくれます。で、右の写真がフューチュラの実力です。背中の隙間から向こうの景色まで見えてしまいます!

「せっかくのタイミングだったので、全体のフィット感もよくしちゃいました」

 どこが変わったのかといえば、ひとつに背面のメッシュ自体が変わっています。以前の細かい格子状のメッシュに代わり、トライアングル形状の目の大きなメッシュになりました。従来同様にメッシュにはコーティングが施されていますので、メッシュが汗を吸い込むこともなく休憩後にふたたび背負うときにもイヤな思いをしないてすみそうです。また、ビシッと張られているスプリングスチールのフレームのおかげでフィット感もかなりあります。

 そして、より気持ちがよくなったのはパネルの左右に筋状に伸びた細長いパッドです。肩甲骨の脇から広背筋へ、そして腰回りのヒップフィンにいたるまで一体化されています。でも、構造はフクザツ。2種類のクッション性の高い素材を組み合わせ、さらには双方にパンチングを施してズラしつつ張り合わせるという技を使っています。

「こうすることで、パッド自体に通気性が生まれ、空気の通り道が確保されるという仕組みです」

「すごい!! 繊細なつくりなんですね。これだけ身体に密着してても、圧迫感がないのに驚き。また通気性もあって快適だなんて、なんだか不思議です」

「ほかにも、まだまだあるんですよ!」

 ……そうこう話しながら歩いているうちに、いつしか626mの幕山の山頂が見えてきました。振り返れば、相模湾が見えます。随分と標高上げてきたな〜。身体は火照っていますが、背中はそんなことはありません。

「やった〜! 到着」と、ハイタッチする二人です。「うわぁ、ステキ」と気分も上々の様子です。
途中でいろいろなモデルを背負いながら山頂へ。たどり着いたらテンションが最高潮に。思わず、ハイタッチのお二人です。
そして、ハイジャンプ。……おーい、どこ行っちゃうんですか〜?

 それもそのはずで、幕山山頂の空間があまりにも出来過ぎなロケーションでして。

 こんもりとした山頂は濃い芝生に覆われたハッピーな空間。そして眼下に海を望む、ここぞという絶好のポイントに、ヤマザクラの大木が淡い桜花を咲かせているじゃないですか! 

「うわぁ、お花見!」「ですね!」「お茶飲もう」「ですね!」「湯河原の駅前で和菓子買ってきたんだ」「ですね!」「はなみ〜」「ですね!」

 と、二人はささっとザックを下ろし、シートを広げてプリムスで湯を沸かし始め……あのぉ、女子二人、もうお仕事そっちのけでしょうか?

「はなみ〜♡」
あ、ここに行っちゃったんですね。もうしょうがないですよね、このシチュエーションじゃ。幕山山頂のヤマザクラは、4月3日の時点でもまだ3分咲きくらいでした。この後は、さぞかしキレイに咲いたことでしょう。

 しょうがないので、残すディテールの紹介は、以下にて徹底的に解析しちゃいます!

■フューチュラシリーズの最新作!
左からフューチュラプロ36(20,000円+税)、ウィメンズのフューチュラプロ38SL(21,000円+税)、同じくウィメンズのフューチュラ28SL(18,000円+税)です。今回、茜さんが使っていた赤いパックは、右側のフューチュラ28SLです。
■ディテール紹介4分割!!
左上/フューチュラの真骨頂。28SLは左右はもちろん、下からも空気の循環ができるように隙間が作られています。これが“超”快適納涼パックのゆえんです。右上/メッシュも新作ではバージョンアップ。強度を維持しつつ網目が大きくなり、通気性もアップ。コーティングが施され、状況次第ではありますが、水も玉で弾きます。左下/ヒップフィンの内側に貼り込まれたパッド。よくみると、表面布の下にも穴あきパッドが! この穴を互い違いに上手にずらし、通気性をさらにアップしています。右下/あまり目に触れない部分ですが、パックの背面にはラウンドフレームのスプリングスチールが設置されています。この反発力でメッシュパネルがビシッと張れるわけですね。
■続いては、ディテール紹介9分割。行っちゃいましょう!
上段左/ショルダーストラップのパッドもしっかり肉抜きしてあります。上段中/急な雨でも心配いらず。ドイターのフューチュラにはちゃんとレインカバーが装備されていますよ。上段右/下の青色はプロのモデルです。こちらは下の隙間はなく、背負い心地の一体感をより向上させています。中段左/ドイターのウィメンズモデルに必ず付いているリリーの花。これ、ヨーロッパのISPOでマーケティング関係の賞を取っているんですって。中段中/茜さん、いい笑顔。ハイドレーションのホールもあります! 中段右/左が新作で右が旧作。2気室構造のパネルジッパーの角度を改善。より開けやすくなりました。下段左/フロントパネルには脱いだジャケットもササッとしまえます。下段中/トレッキングポールもご覧のとおり。下段右/こちらもドイターらしく、雨蓋の内側には救難信号のルールが載っているんです。意外と知られていないのですが

 以上、4連発に続き、9連発でした。え!? まだ、足らないですか? 

 そんなギアフリークには、こちらのページがオススメです。フューチュラシリーズの特設サイトがオープンしているんです!
フューチュラに焦点をあてて作られた特設サイト。ドイツ本国のCEOや担当デザイナーの声も聞ける動画も満載で、見応えあり。120年続いたドイツの名作が、さらなる進化を続けます。

 ここで紹介したフューチュラに使われているエアコンフォートのシステムについても、かなり詳しく触れられているので、興味があればぜひ! ディープにドイターの世界を知りたい道具通のあなたには、絶対的にオススメです。


(写真=岡野朋之)

Latest Posts

Pickup Writer

ホーボージュン 全天候型アウトドアライター

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

高橋庄太郎 山岳/アウトドアライター

森山伸也 アウトドアライター

Muraishi Taro アウトドアライター

森 勝 低山小道具研究家

A-suke BASE CAMP 店長

中島英摩 アウトドアライター

麻生弘毅 アウトドアライター、編集者

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

Keyword

Ranking

Recommended Posts

# キーワードタグ一覧

Akimama公式ソーシャルアカウント