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スノースポーツのアスリートの声から生まれたサスペンション搭載。GREGORYのBCモデル「ターギー」を解説

2019.10.30 Wed

ふくたきともこ

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

 秋が訪れ日に日に気温が下がる今日このごろ、スキーやスノーボードなど滑り好きな方々は雪山が恋しくなる時間が増えているのではないでしょうか。

 今回はISPOなど数々の受賞歴のあるGREGORYのバックカントリー用パック「TARGHEE(ターギー)」をご紹介します。日本で展開されている容量は32ℓと45ℓの2種類ですが、オーバーナイトのツアーに参加したり道具の多い山岳ガイドでない限り、1Dayツアーで用いるなら30ℓ前後が適していると思いますので、今回は32で解説します。
 こちらが「ターギー32」。今季、本体の素材をより強度のあるものに代え、またポケットにさらに素早くアクセスできるようにレイアウトを見直すなどしてアップデートされました。

 細かい機能は後述しますが、まずこのターギーの大きな特長はグレゴリーが得意とする背面のサスペンションシステムにあります。 ターギーに採用された「バートフレックス・サスペンション」は、スノースポーツのアスリートの声から生まれた冬季モデルのための専用サスペンション。ハイクアップ時に背負うスキーやスノーボードを含めた重い荷物の安定感は、登山モデルのサスペンション技術を応用していますが、注目したいのは横方向への“ねじれ”を可能にする柔軟性。背面の縁回りにワイヤーフレーム、さらに肩甲骨周辺に横方向へステイ(支え)を挿入することで、スキーやスノーボードでの滑降中のダイナミックな動きを受け止め、あらゆる方向に大きく身体を動かしても背中の荷物が振られることなくぴったりと追従するようになっています。

 さらに、GREGORYのバックパックはユーザー個々の背面長に合わせ、同じ容量でもウェアのようにいくつかのサイズから選べることが大きな特徴ですが、S・M・Lと3サイズ展開されているこのターギー32は、もちろん真冬のアウターウェアの上に背負うことを前提としたサイズ設定になっています。

 続いて、細部を見ていきましょう。

  • スキーやスノーボードを装着するストラップは不要時は収納しておける。
  • 太めのスキーも八の字型に取り付けられるAフレームスキーキャリー。

  • メインの荷室へのアクセスはバックパネルから。ダブルジッパーで大きく開口し、ボトムにはたっぷりマチがあるため荷物がゆったり納まる。
  • バックパネル側にハイドレーションパック用のポケット。メイン荷室のサイドには、チューブの取り回しをよくする工夫も。これ便利。
  • セーフティギアを収納するアバランチポケットはより道具の出し入れがしやすくなった。クライミングスキンもラクラク入る。
  • 正面右側に内蔵されたヘルメットホルダーは取り外せないので紛失の心配がなく、スノーボードを装着した状態でも上から使うことができる。
  • トップポケットは他社モデルより大容量。ゴーグルやサングラスだけでなく、行動食なども充分入る。鍵や財布などを収納できるミニポケットも装備。
  • 右ウェストベルトにはデジカメやマルチツール、日焼け止めなどの収納に便利な小型ポケットを装備。
  • 左ウェストベルトはギアラック付き。
  • 右ショルダーハーネスは断熱性の高いハイドレーションチューブのスリーブ付き。
  • チェストベルトのバックルはセーフティホイッスルが組み込まれている。
  • グローブを装着したままでもコンプレッションしやすいサイドのバックル。

 といった具合に、山での使いやすさを考えた数々の機能がちりばめられています。

 個人的に感じたのは、あれもこれもと便利な機能を詰め込んだために、ちょっとパーツが多いなという印象。スキーヤーをメインユーザーとしたパックのためか、スノーボードやスノーシューを取り付ける際、ストラップの金具の取り回しやコンプレッションで少々もたつきました(慣れ不慣れもあるかもしれませんね)。

 その分、同社の製品作りの根幹である「“背負う”のではなく“着る”」というコンセプト通り、背負ったときのフィット感は文句なし。大容量のトップポケットも使い勝手がよく大変便利です。スノーボーダーなら、板を背負うことはあまりないスプリットボードのユーザーの方がより適しているのではないでしょうか。

 バックカントリーででかける雪山では、バックパックをはじめとする道具の些細な使いにくさなどが心理的なストレスとなって積み重なり、行動中の遅れや焦りを生んだり、状況判断やライディングの失敗につながったりすることが少なくありません。場数を踏んだプロのライダーならともかく、私を含め多くは練習あるのみ!でしょう。“荷物を運搬する”という重要な役割のバックパックを、ついつい目が行きがちなデザインやカラー以上に、構造やひとつひとつの機能をしっかり理解して「使いやすい」モデルを選びたいところです。

 願わくば女性専用モデルもぜひ出してほしい!

GREGORY/ターギー32
■価格29,000円+税
■サイズ:S〜L
■重量:1.47kg(Mサイズ)
■容量:32ℓ(全サイズ)
■カラー:アトランティスブルー(掲載のオレンジは今季日本での取り扱いはありません)
ターギー45はの情報はコチラから!

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