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フジロック前に要予習! キャンプよろず相談所直伝 フェスキャンプの知恵袋

(2019.07.09)

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各地のフェスでキャンパーサポートを行なう「キャンプよろず相談所」が、フェスキャンプに役立つ技術のアレコレを直々に伝授! フジロックの前に、要予習だ!

風向きを知ればテント危うからず!

 テントを張るときに風向きまで考慮したことはあるだろうか? 通常ならそれほどシビアに考える必要はないかもしれないが、天候が荒れるリスクがあるときにはぜひ考えてほしい。
 一般的にテントはどちらかの辺が長い縦長の形状が多い。とすれば、空力抵抗を受けないよう、風の方向に対して縦に張るのが望ましい。
 テントへの出入り口は風下の方が安全だ。強風のときに風上から出入りすると、そこから風が吹き込み、パラシュートのように風を受けてしまう。もしテントの出入り口が横側にあるタイプなら、ファスナーを開けたとき、風下側を開くようにしよう。
 また、できるだけ下からの吹き込みも軽減するように、テントの裾に隙間ができないように張ろう。
 張り綱はテントの対角線に沿って張ることで、シワなくビシッと張れる。シワなく張ることも雨や風の影響を受けにくくする上で重要なテクニックだ。

  • 風の抵抗を減らす上で、出入り口を風上に向けないこと、適度なテンションでシワなく張ることが重要だ。1ヶ所が破綻するとそこが弱点になる。
  • 図解を見ればわかると思うが、エアロダイナミクス(空気力学)の応用だ。要は大きな面で風を受けないようにすること。

快適な場所を見きわめよ!

 設営場所の選択で、その後の運命が変わる。
 まず雨天時のことを考慮すると、凹地を避けること。多少の雨なら影響はないが、大雨になると地面の水はけの許容を超え水溜りができてしまう。こうなるとテント内に下から浸水するという事態に。また、水の通り道になるような場所も避けたい。
 水溜りや川になりそうな場所は、周りの地面と見比べるとわかる。全体的に草地なのに、そこだけ土や石ころが出ている場所は、水はけが悪いか、水の通り道になっている場所だと心得よう。
 風が強くなりそうときには、林の風下側を選ぼう。強風時でもかなり風の影響を軽減できる。ただし、木々の直下は、枝が落ちてきたりする場合があるので注意が必要だ。

図のように土や石ころが出ている場所は、水の通り道になっていることが多い。周りの土地と見比べよう。

暑い日には、涼が取れる木陰はありがたい。朝方に、太陽に起こされることなく快眠したいなら、林の西側に設営しよう。(写真=sumi☆photo)

テント付属のペグ、それで万全?

 テントを購入すれば、必要な数のペグは付属されている。だが、それだけで万全とはいえない。荒天が予測されるなら、補強用にプラスアルファのペグを用意しよう。

 上図のペグは、左から ①アルミ製串ペグ、 ②アルミ製Vペグ、 ③樹脂製ペグ、 ④鋳鉄製ペグ、 ⑤業務用ロープ留め。基本的には右に行くほど重く、抜けにくい。
 ペグの効きは、長さと断面による。長ければ長いほど抜けにくく、断面は細く丸いものよりも、V字、Y字、+字のように、土と接地面が多いほど摩擦抵抗が増え抜けにくい。 ③と④なら④の方が硬い地面でも深く打てるのだが、芝地のような土の柔らかい場所では接地面の多い③の方が抜けにくいというケースもある。
 1人2人用の小型のテントに、 ④や⑤までは必要ないが、大型のファミリーテントを使う方は、 ③~⑤のペグを補強用に何本か備えておくと安心だ。

樹脂製のペグを鉄製のハンマーで打つと、ヘッドが割れてしまうこともあるので、ハンマーもペグの素材を考慮して選ぼう。

耐候性の高いテントってどれだ?

 大まかにいえば、テントはキャンプ場で使用するファミリーキャンプ用テントと、登山のテント泊で使用する山岳用テントがある。特徴としては、ファミリーテントの方は居住性は高いが重く、対して登山用は軽量でコンパクト。いうまでもなく厳しい環境下で使用される山岳用テントの方が耐候性は高い。
 とはいえファミリーテントでもしっかりと張られていれば、風速15m/sぐらいまでの風には耐えられるといわれている。ただしそれもテントのクオリティによる。安価なものに手を出すと、強風でポールが折れたり、雨漏りしてきたりと、痛い目にあうこともある。
 ましてやピクニック用のサンシェードやポップアップテントは耐候性どころか、宿泊にも適さない。「テントだと思って買ってきたら中が丸見えなんです」と泣きついてきた人もいた。快適と安心にお金をケチってはいけない。

【ファミリーキャンプテント】

  • ティピ型
    力学的観点からも風に強い。ただしペグや張り綱で裾がめくれないように注意。
  • ドーム型
    対角線に組んだポール+前室用ポールで居住性もいい。風が強いときは出入り口となる前室を風下に。

【山岳テント】

  • ドーム型
    コンパクトで軽量。やや窮屈だが面積が小さいので風の影響が軽減される。
  • トンネル型
    風を受け流すため横風にも強い構造。北極探検などにも使用されるタイプだ。

嵐の予感? そうだ、補強しよう

 ペグ打ちの基本は、張り綱の引っ張り方向とは反対側に10 ~30度傾けて打つべし、だ。まずこの基本は押さえた上で、悪天候時の補強方法をお伝えしよう。
 もっともわかりやすい補強方法としては、ペグの本数を増やすこと。一ヶ所に2、3本使ってもいい。また前項で紹介したような長めの抜けにくいペグを使うことも有効だ。補強する場所は、風上など風を受けやすい側をしっかりと。
 雨が強いときには、張り綱を伝ってペグを打ったところに水が溜まり、地面がゆるくなってしまう。そんなときは、地面のゆるみをこまめにチェックしたり、ペグを打つ場所を移動させるなどで対処しよう。

クロス打ち/2本のペグを交差させて打つ補強方法。ベクトルが分散することで張り綱の暴れにも強い。

連結段打ち/ペグを少し離れた位置にもう1本打ち、連結することで補強。仮に1本抜けてももう1本がバックアップ。

(文・イラスト=渡辺信吾)

 
 
ライター
渡辺信吾

アウトドア系野良ライター。デザイナー、Webディレクター、コーディネーターとしても活動中。波乗り、雪乗りで一年中真っ黒。 ホームページ「NORA」

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