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寒さが沁みるこの季節、山のウェア選びはOK? その1

2014.12.06 Sat

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

 いよいよ、寒い冬がやってきましたね。麓から見上げる山の稜線は、もう真っ白。あの頂をめざすとなると、さすがに冬山装備をバッチリと決めてかからねばなりません。アンダー、ミッド、アウターをしっかりとレイヤリングして、状況ごとの暑さ寒さにすばやく対応できるようにする。それが、山のウェア選びの基本となるのはご存知の通りです。

 とはいえ、いわゆる本気度100%の雪山装備となれば、用意する側もそれなりの経験と心構えがあるはずなので、そんなに心配はいらないのです。が……Akimama編集部としても、ちょっと気になるのは、この季節に雪のない低山をめざす人たちの装備です。

 ごく一般的に、雪山に登りたがらない人はたくさんいると思います。雪のある山はちょっとと遠慮したくなる気持ちはよくわかります。雪崩や吹雪、濃霧などが原因でホワイトアウトや滑・転落に……なんてことを考えると、たしかにゾクッとしますもんね。
 
 だから、もっぱら雪のない低山へ。

 夏山歩きが好きな人なら、当然、そう考えることでしょう。でも、ここがポイントなんですよね。とくに山の経験の浅い人に言えることなのですが「だから、低山へ」という考え方自体に、少しだけ危険がはらんでしまうのです。

 じつは、この季節の低山の気候判断はかなり微妙なんです。もちろん、登る山の場所や標高、ルートにもよりますが、下から見上げたときには雪なんかまったく付いていないような山でも、いざ森の中へ、山道へと足を踏み入れると、岩かげやら谷道なんかにベットリと雪が付いていたりすることがあります。

 たとえば南向きの斜面では、お日様もポカポカでうららかな低山散歩ができることもあるでしょう。でも、いざ日が陰ってしまうと大気は一気に冷え込み、驚くような寒さに見舞われることもしばしばです。日が暮れるのも一年のうちでいちばん早いですからね、この季節は。

 さらに風が吹き付けたりすると、体感温度はグングンと低下してしまいます。さらにさらに。致命傷となりかねないのは、ここに「濡れ」が加わってしまうこと。雨や雪、みぞれなんかの外的な要因はもちろん、自分の発汗による内側からの冷えも甘くみることはできません。そのまま放置していれば、下手をすると低体温症になってしまうことだってありますから。

 そして、北側斜面のルートでは、地面がカリッカリに凍っていることもあります。これ、冬の低山ではよくあることで、南斜面から峠を越えた瞬間に、あれッ? ちがう山へと足を踏み入れてしまったのかな、と思うほどにガラリを状況が変わることもめずらしくはないのです。

 端から雪山へ行くつもりであれば、いろいろな状況を想定しているはずなので、当然、装備にも抜かりはないでしょう。でも、雪はないから大丈夫、と思い込んで山の準備を始めてしまうと、必要なはずのウェアを着ていなかったり、ギアを忘れてしまったりするのです。

 あくまでも可能性の話ですが、低山へ行く理由が「雪がないから」という心理面でのアプローチの場合は、要注意ということですね。しなくてもいい遭難の芽が、潜んでいるかもしれません。

                              

寒さが沁みるこの季節、山のウェア選びはOK? その2]に続く

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