• 山と雪

マイクロアドベンチャー:初めて降りる駅と山間の神社仏閣巡り。

2018.12.11 Tue

森 勝 低山小道具研究家

 大人になり『冒険』と聞くと、特殊な人が行う大変な事を想像しがちだが、誰しも子どもの頃は身近な探検を楽しんでいたハズ。

 イギリス人の冒険家アラステア・ハンフリーズさんの提唱するのが、家に近く、小規模で、短時間で行える冒険スタイル『マイクロアドベンチャー』だ。なにも遠くに行かなくても、地元で目線を変えれば子供も大人も冒険を楽しむことができるのだ。

 ボクの子どもの頃テレビでは『トム・ソーヤーの冒険』や『川口浩探検隊』が放送され、テレビを見ては山や川を探検に行っていた。裏山に秘密基地を作り、横に流れる川を上流までさかのぼり、峠を超えて貯水池に釣りに行き、遠くに見える建物は自転車で確かめに行った。

 子どもの頃の山遊びが楽しくて、大人になってもほぼ同じことをやって遊んでいる。自分のホームを決めて、裏道、作業道、獣道を歩き回り、自分だけの宝の地図(宝は無いが)を作っている。

 長年遊んでいるので自分なりの考え方があり、今回はそのひとつ「山に接する神社仏閣巡りは楽しい」を紹介しよう。この記事を書くために初めてJR上野原駅で降り、駅北側の神社仏閣と三角点を巡ってきた。

 まずは地図とにらめっこ。以前は大型書店に買いに行っていた地図も、今や国土地理院のページや地図アプリを使えば、地形図が無料で見られる便利な時代だ。それだけではなく古地図・植生図・地質図・航空写真などもネットで簡単に見つけられてしまう。ボクはグラフィックソフトを使い各種地図をおなじ縮尺で重ねたオリジナル地図を作り、今まで見つけたルートや目印を書き込んでいる(写真上)。子どもの頃は地図なんて無くても、遠くまで行って戻ってこられていたから不思議だ。

 気になる場所に印を付けたのがこの地図。今どき行かなくてもググればどんな情報でも出てくるが、ココはあえてこの地図だけで妄想をふくらませる。子どもの頃も大人に聞けばよかったが、自転車でその場所まで行くのが楽しかったのと同じ。

 どうして山に接する神社仏閣を巡るかと言うと、ローカルの登山道の入口があることが多いから。この場所にも上野原遊歩道があった。後半は落ち葉が積もり、歩いている人は少なそうだったが、道標は設置されていた。

 もう一つ楽しみが地図ではわからないローカルスポットを見つけることだ。この時は、手作りの展望台や古い鳥居を見つけた。山頂にはお社も設置されていた。

 大切にしているのが、次につなげるために周りの山を観察すること。上の写真は途中で撮影したまわりの山。ずっと山を見て歩いていると、だいたい道がある場所の特徴がわかってくる。尾根の先端に神社がある場所。植生界がある森。モミやホオノキがある尾根等。次に冒険する場所を探しながら歩いている。

 今回はスマホでログを取りながら歩いた結果がコレ。一番高いところでも虎丸神社446m、下の住宅街が300mなので上り150mほど。4時間半14km歩いて、次行きたい場所も2ヶ所見つかった。一日遊んで使ったのは往復の切符代だけの小さな冒険だった。

 テレビでは、航空写真で見つけた山奥の謎の場所に、マイクロアドベンチャーするのが流行っているが、山奥まで行かなくても地元でできる場所は意外と多い。

 子どもの頃に感じた冒険心をマイクロアドベンチャーで取り戻してはいかがだろうか?

装備も必要最低限。タープは緊急時に包まるため。防寒着は濡れないようにゴミ袋に入れている。

Latest Posts

Pickup Writer

ホーボージュン 全天候型アウトドアライター

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

森山憲一 登山ライター

高橋庄太郎 山岳/アウトドアライター

森山伸也 アウトドアライター

村石太郎 アウトドアライター/フォトグラファー

森 勝 低山小道具研究家

A-suke BASE CAMP 店長

中島英摩 アウトドアライター

麻生弘毅 ライター

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

宮川 哲 編集者

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

Ranking

Recommended Posts

# キーワードタグ一覧

Akimama公式ソーシャルアカウント