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【ベストバイ】山で試した100アイテムから厳選! 高橋庄太郎のオススメ山道具

(2016.01.26)

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 アウトドアライターや業界関係者が選ぶ「私のベストバイ」シリーズ。2015年に本人が実際に購入して使ったお気に入りのアイテムを紹介していきます。第7弾は山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんです!

 アウトドアライターという仕事柄、昨年もさまざまなギア/ウェアを使ってきた。確実によいと思えるモノがあれば自分で購入し、そこまでいかなくても面白そうなモノがあればメーカーさんに借りて、フィールドで試してみる。その結果、新製品を中心に新規で使ってみたものは100アイテムを下らないだろう。

 そのなかで、満足いくものがこちらの3点だ。偶然だけど、なんだか全部、青いものだな……。

ミステリーランチ/X20


外部からアクセスできるポケットはフロントとトップに2つ。ファスナーは止水タイプだ。内部の背面には樹脂製パネルが入っているが、僕は体へ柔らかくフィットさせるため、外した状態で使っている。¥24,000+税。

 発売自体は一昨年になるはずだが、使い始めたのは昨年から。コイツのよさは、細身でいて、上に行くほど太くなるフォルム。背負ったときに体からはみ出さないので、ヤブっぽい場所を歩いていても引っかからず、重心も高くなるから、荷物の重さが軽く感じる。

 そして素材は強靭極まりない「X-Pac」。岩で擦れたくらいではビクともせず、悪意を持ってナイフなどでわざわざ突き刺さない限り、破れることはなし。パリっとした張りのある素材感が、またいい感じだ。フォルムといい、素材といい、まさに僕好みのルックスを兼ね備えた「質実剛健」なのですよ。

 もうひとつ、忘れてはいけないのは、そのルックスのカッコよさ。あくまでも僕の好みとはいえ、こんなに現代的で、どこかシックで、色使いが絶妙という小型パック、これまでにあっただろうか? もしもコレが機能的にイマイチなものであったとしても、僕は買ってしまっていたかもしれないと思うほどだ。

 だけど、ミステリーランチのX-Pacを使ったモデルは、いずれ廃番となるという噂。早めに買っておかないと、ヤバイですよ。ネットオークションで高値になるのが目に見えているのだから。

シートゥサミット/トラベラーTrⅠ

サイドはすべてファスナーで広げられ、足元は巾着状にコードで絞るタイプ。一方で、頭を覆うフードは省略。完全に開けばブランケットのようになり、暑い夏は体に軽くかけて、心地よく眠れる。重量は約389g。¥29,000+税。

 買ってしまおうか、いや我慢しようか……。悩んだ挙句、とうとう昨年購入したのが、快適に使用できる温度帯が14℃に設定された、この寝袋。もともと同じシリーズで同じ特徴をもつ「マイクロMcⅢ」が非常に気に入っており(自分の人生で最高ともいえるくらい)、それよりも薄手のものとしてコレも手元に置いておきたかったのだ。絶対的に必要ではなかったという意味では、ちょっとした贅沢品かも。

 だが、コイツの応用力は想像以上。ブランケットのように広げて使えるので、当初は蒸し暑い真夏に活躍するだろうと考えていた程度だが、じつは真冬に使うのがまた便利なのだ。もちろんコレだけで寝るのではなく、冬季用の寝袋にインナーとして加えるのである。そうすると体と寝袋の内側との隙間がふっくらとふさがり、ぐっと暖かくなるというわけ。
このとき、フードがないというデザインが、非常に好都合。頭部は二重にならないので、首から頭がむやみにふくれず、寝心地が損なわれないのである。圧縮すればとても小さくなるから持ち運びに支障はないし、いや~、手に入れてよかった!

マムート/コンフォート ハイ GTX サラウンド


これまでシューズの内側に使われていたゴアテックスのブーティでは足裏の透湿性は望めなかった。だがこのモデルは「ゴアテックス・サラウンド・プロダクト・テクノロジー」を採用し、透湿性は最大限。「サラウンド」とは足の周り「360度」から湿気が抜けるという意味だ。¥33,000+税。

 透湿防水性素材の代表がゴアテックス。昨年、そのゴアテックスは2つの新テクノロジーを発表したが、なにかと話題になったのは、薄手の裏地を使って軽やかな着心地を実現した「ゴア・C-ニット・バッカー・テクノロジー」のレインウェア。だがそれよりも地味ながら、むしろ僕が驚いたのは「ゴアテックス・サラウンド・プロダクト・テクノロジー」を採用したシューズだった。

 とにかくまあ、足の裏まで透湿性が確保されているから、これまでのシューズに比べても格段に内部の蒸れが少ない! 自分で詳細に山中でのテストしたこともあり、既存のゴアテックスを使ったシューズよりも格段に快適なのは間違いないと断言できるのである。このモデルはアッパーも柔らかく、グリップ力も悪くはないので、入手してからやたらと履きまくってしまった。

 ただ、このテクノロジーは透湿性を確保するために、アウトソール、ミッドソール付近を硬いゴムや樹脂で覆うことはできず、その結果、全体的に華奢な作りになる。ファストハイキングシューズやライトトレッキングブーツにはそれでよいのだが、僕のようにガンガン履いてしまうと、すぐに傷むようで……。じつはすでに水漏れがするようになってしまった。しかしそれでもまた買いたくなるのだから、「ゴアテックス・サラウンド・プロダクト・テクノロジー」は本当にスゴい。マムートのコレを再購入すれば履き心地は保障されているけれど、別メーカーのものも試してみたい気もします。

今年はどんな新製品が出てくるのだろう? まだ試していない定番品含め、またいろいろ買っちゃいそうです。

山岳/アウトドアライター・高橋庄太郎
テント泊による山歩きやカヤックツーリングを愛し、1年の半分近くは野外で自炊しながらのキャンプ生活。その合間に原稿を書き、取材を行ない、スタジオでの道具の撮影にも加わっている。著書に『山道具 選び方、使い方』(エイ出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)など。

 
 
ライター
A kimama編集部
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