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まもなく開催! 夏の風物詩 京都「五山の送り火」、手に入れたい消し炭のステキな使い道

2013.08.13 Tue

 お盆の過ごし方は日本各地いろいろとありますが、京都では毎年16日に、お盆にお迎えしたご先祖様の精霊をふたたび浄土にお送りする“かがり火”を山で焚く行事が行われます。みなさんもご存知、「五山の送り火」ですね。

 午後8時になると街の灯りが消され、京都盆地の周囲の山に、「大文字」「妙法」「左大文字」の文字や、鳥居、船の形を順に点火。約1時間静かに燃え続け、その間京都市内はとても幻想的な雰囲気に包まれます。「今年はどれを観る?」なんてやりとりが、16日には市民の間でなされるわけです。

 さて、意外と府外の人には知られていませんが、送り火の火床で燃えつきた松割りの炭を求めて、翌朝早くから五山に登る人がいるのをご存知でしょうか?

 浄火によって焚かれた「消し炭」あるいは「から消し」などと呼ばれるその炭は、同じく浄化されたものであり、家の軒先に吊りさげておくことで、1年間家庭の魔除けや厄除け、無病息災のお護りになると言われています。奉書紙でくるみ、水引で飾って次の送り火まで残しておく風習です。

 その消し炭を求めて、暗いうちから「消し炭登山」を行うんですね。登る時間が早ければ早いほど形が残る大きな消し炭が手に入り、豊作だった人はご近所におすそ分けしたり、お店のサービスとして配る……なんてケースもあるようです。

 ところで、最後に都市伝説的な話となりますが、過去には送り火の点火まで茂みに潜んで、巨大なライトで「大」を「犬」にしてしまおうという輩もいたとか、いないとか(笑)。……と思っていたら、講談社からそんなイタズラを企てる大人たちの小説『八月の犬は二度吠える』(著・鴻上尚史)が発売されているんですね〜。

 ちょうど京都へ帰省しているので、消し炭を求めてどこかの山へ登ってこようと思っているAkimamaスタッフでした。

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