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インナーシュラフがイケてるぞ! ということで、のようなものを【作ってみた】

(2016.08.08)

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 近ごろ、「インナーシュラフってイケてるかも!?」と、めきめきインナーシュラフ熱が上昇してきたので、ここでそう訴えたい所存です。正直、これまでその存在はなんとなく認識しつつも、「きれい好きな人が使う、なんかちょっと気取ったやつじゃない?」と思っており、まったく興味が持てませんでした。

 一般的な名称だって「インナーシュラフ」なのか「インナーシーツ」なのか、正直よくわからない。使用方法だって謎です。汗や皮脂などの汚れ、そして臭いから寝袋(内部)を保護してくれるもの、山小屋泊のとき布団の汚れが気になるひとが使うとか夏は単体で使うことも可能なもの、なんて感じかと思うのですが、あっていますでしょうか。

 そんなこんなでさっぱり興味がなかったインナーシュラフですが、この前、ノースリーブのワンピースを着ているときに雨に降られて、それから冷房が効きまくっているもんじゃ焼き屋に入ったら寒くなってきて、そしたら見かねて「もうこれでも、はおっとけば?」と隣にいた野宿の大先輩、熊沢正子さん(『チャリンコ族は急がない』(山と溪谷社刊)著者)がさっと渡してくれたもの、それがインナーシュラフだったのでした。熊沢さんは最近「山旅」にはまってるので、山にときどき持って行っているんだそうです。

 渡されたインナーシュラフは、シルク製で手触りがよい。はおってみると、なんかちょっとしゃれてる! セレブっぽい! 気がする……! わたしはたいへんよい心持ちになり、このとき、「インナーシュラフはイケてる説」が誕生したのです。


イケてると思った姿はこれです。顔を写すとさらに貧乏臭くなるので、首から下の写真

 あのときは、しゃれてる、セレブだ、と思ったわけですが、お酒ってコワい。シラフになってみたら、まったくしゃれても、セレブでもなかった……。

 とはいえ、はおりものとして、ギリギリありありなんじゃないでしょうか。夏場は外と室内の温度差が激しくって、ちょっとしたはおりものが欲しいときがあります。外が気持ちよくって、あるいは飲みすぎて、急に野宿したくなるときもあります。ってことは、インナーシュラフをはおりものがわりに持ち歩けば、急な野宿にも便利。いや、夏なんか、なにもなくったって寝られるんですけど、段ボールや新聞紙で十分なんですけど、持っていたら、楽だし。

 つまりはこれ、まだあんまり野宿したことない人、コンビニで段ボールをもらったことのない人、ごみ箱から新聞紙を拾ったことのない人にとっては、野宿へのハードルが下がる魔法のブツなんじゃないでしょうか。これはもう、誰もかれもが 必需品とするべきでありましょう!

 野宿人口を押し上げるためにも、今後、インナーシュラフはイケてる説を訴えてゆこう! そうわたしは決意したわけですが、熊沢さんに借りたものは「SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)」の「シルクトラベルライナー」ってやつで、シルク100%の高級品でありました。現行品は1万円近くするので、やっぱりセレブだよ! これじゃあちょっと買えないので、もう、じぶんで作っちゃうぞ。


小学校・中学校の授業で使う手芸用品は、いつもここに買いに来ていた。懐かしい!

 家にミシンがないので実家へ行くのですが、途中にある「ヌマヤ」で布を買うことに。しかしここ、町のお店なので品ぞろえがいまいち。シルクの布はありませんでした。


そして、シルクじゃなくても、布は意外と高かった……

 裏地ベンサンシモン(122㎝巾/1m 880円)あたりの手触りがなんとなくシルクと似ている気がするんだけど、布代が高すぎて、ちょっともう作る気が失せてきました。最安値の布を探したら1m 390円(122㎝巾)。「撥水加工の布」って書いてあるから、これでいいや。「シルクトラベルライナー」をまねると185㎝×92㎝なので、横幅が足りず4m買わなくてはならないのですが、忠実に作るのはやめて、122㎝巾を半分に折って作ることに。だったら2メートルで済んで、しめて780円です。


それはそれはてきとうに縫って、封筒状にしました


というわけで、完成。ますますおしゃれじゃないけど、もうなんでもいい

 そう、もうなんでもいいと思えば、封筒状に縫うだけなので、インナーシュラフは誰でも作れます。一人一枚、インナーシュラフ! はおってよし、野宿してよし! ひとつで二度おいしい、夏の必需品でありますよ~(正直もう、どうでもよくなってきたぞ)!

 
 
ライター
かとう ちあき

面倒くさいを座右の銘に、人生をより低迷させる野宿専門誌『野宿野郎』を刊行する編集長のようなもの。著書に「野宿入門―ちょっと自由になる生き方 」(草思社文庫)、「あたらしい野宿(上)」(亜紀書房)など多数。最近は、横浜で、お店のようなものを絶賛営業中。

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