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<夏休み大作戦>アー ユー レディー?鮎解禁、今年の夏は川で「突きじゃくり」だ!

(2016.07.21)

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 友釣りの解禁から1ヶ月半。そろそろ西日本の各河川でアユのしゃくり漁が解禁されはじめました。

「棒じゃくり」、「ちょんがけ」、「サクリ」あるいは単に「ひっかけ」などとも呼ばれるしゃくり漁は、水中のアユを目で見ながら、鉤でかけ獲る漁法。

「獲る」という点では釣りや網と同じですが、目で見ながら狙って獲るしゃくり漁は、見つけて獲るまでのプロセスをより濃密に味わうことができます。

 また、同じく突くにしても、無骨で力任せなヤスよりも釣趣というか突趣というか、「味わい」がある漁法でもあります。

突きじゃくりの仕掛け。温かい夏の川で腹ばいになって、白泡のなかを行き交うアユを軽やかな仕掛けでツン、ツンとかけ獲る楽しさには、子供でなくても夢中になってしまいます。先端の鉤は離頭式になっていて、魚がかかると糸が伸びて力を逃します

 各地に地域独特の鉤が伝わっており、1本鉤、2本鉤、4本鉤のイカリ型などがありますが、いろいろある鉤のなかでも、初心者にもアユを獲りやすいのが「突きじゃくり」です。

 棒の先端にT字型にゴム管をつけ、その左右にはイカリ型の鉤を配置。押しても引いても、アユに触れさえすれば鉤がかかるという、アユにしてみればたいへん恐ろしい漁具です。

 かけた後の手返し(魚を外す手間)の良さから、名人は1本鉤や2本鉤を好みますが、アユの近くに棒を寄せるだけでもやっと、という入門者は突きじゃくりのほうが漁果があがります。

 中京圏や四国では市販品も手に入りますが、それ以外の地域では入手しづらく、自作すれば1本数百円程度で作れるので、自作がリーズナブルかつ現実的です。

 それでは以下、突きじゃくりの構造と作り方です!

● 突きじゃくり概要

まず用意するのは2mほどの中空の丈夫な棒。竹竿やゴルフクラブのシャフト、硬調の釣竿のジャンク品などが向いています ①しゃくり仕掛け。詳細は後述 ②先端から中通しになってきた糸は、途中にあけた穴から外へ引き出す。穴はドリルやピンバイスなどであける。穴のところから折れやすいので、ステンの棒などをサイドに仕込んで糸で補強する ③引き出してきた糸はツメに結んでオーリングでふわっと固定。水流を受けた程度では外れず、アユがかかったら外れるようにできれば、ロックの仕組みはどんな方法でもOKです。私はツメと糸の間にヘアゴムを入れて緩衝材にしていますがこれはなくてもよいです

●しゃくり仕掛け
用意するのはアユ釣り用の両掛鉤、丈夫な糸、ゴム管、細い針金。写真の糸はたまたまPEですが、ここまで強力でなくても大丈夫

①まずは両掛鉤を十字に組み合わせてイカリ型に。これを2つ用意 ②ゴム管を3cmほどに切って2つに折り、折り目の角をギリギリ中空部に達する程度に切り落とす ③左右の穴(どちらでもOK)から針金を入れ、貫通穴から先端を抜き出して、糸を通していく

①左右の穴からループ状に糸を引き出し、イカリ型にした鉤をループにかける ②鉤を両側に付け、ループを引き絞って鉤の軸をゴム管に挿入。糸を片側だけ伸ばして貫通穴の所で結び留め、残した糸に結びこぶを作る ③装着のイメージ。中空の棒の先端から出る糸はループにしておき、チチワ結びで結びこぶを留める

 道具の用意ができたらいざ川へ。下流側から上流側へとそっと忍んでいけば、白泡のなかにアユ! アユは同じ場所を右に左に往復する習性があるので、タイミングをはかってしゃくりを放ちます。

しゃくりの後端にゴムをつけてその力で飛ばすこともできますが、手を繰り出すだけでもかけることができます。慣れたらゴムなしのほうが手返しがよいので、最初からゴムなしで慣れることをおすすめ(写真提供=エソ☆マスター) 

アユにほんの少しでもかすれば、がっつり鉤がかり! ヤスと比べて軸が細いので、アユの身を痛めません。両掛鉤は焼きが硬めに入っているので、岩を突くうちに折れてしまいがち。しゃくりの仕掛けは多めにつくっておきましょう(写真提供=エソ☆マスター) 

パツンと身のはった盛夏のアユ。これは初めて突きじゃくりを手にした友人の漁果。勘が良い人なら、初めてでも一家の食卓を賄う程度は獲ることができます(写真提供=エソ☆マスター) 

 さて、これでひと通りの突きじゃくり解説が終わりましたが、忘れてはいけないのが川のルール。最初にも書いたとおり、アユには漁期があり、使ってもよい漁具についても細かく定められています。

 そして、ここまで解説しておいてアレなのですが……残念なことにほとんどの川では突きじゃくりを使うことができません! 

 突きじゃくりを楽しめるのは、昔からこの漁法が盛んだった中京〜近畿、四国、九州の川の一部と、各地の漁業権の設定のない川。どこで楽しめるのか、入漁料はいくらか、などといった情報は「都道府県名」+「突きじゃくり」などで検索してください。

 しかし、しゃくり漁が許されている川は、その漁法の特性からどこも水が澄んでいます。夏休みはしゃくり漁もできるきれいな川へ遠征してキャンプ、なんていうのも楽しいかもしれません。

 また、しゃくり漁は熟達すると相当の漁果があげられるようになりますが、技術が向上したときには、節度も一緒に身につけたいもの。どんな釣りでもそうですが、数に価値を見出すような獲り方は慎みましょう。

 
 
ライター
藤原祥弘

野生食材の採集と活用、生活技術につながる野外活動などを中心に執筆とワークショップを展開。twitterアカウントは@_fomalhaut

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