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DILL連載第6回 米国ロングトレイルで知った「ディハイドレイター」なるマシンとは?

2016.07.29 Fri

DILL

DILL DILL eat,life. オーナー

『DILL eat,life.』はアウトドア好きの
山戸夫妻が切り盛りする八ヶ岳南麓の食堂。
連載第6回目となる今回もオーナーシェフであり、
料理研究家の山戸ユカさんによる米国ロングトレイルでの食について。

 みなさんこんにちは、「DILL eat,life.」の山戸ユカです。

 八ヶ岳はすっかり夏山。日中はジリジリと照りつける太陽が肌を焦がし、夕方になればヒグラシの鳴き声とともに心地よい風が吹き抜ける季節になりました。

 前回の記事では私たちが2012年に歩いたジョンミューアトレイル(以下JMT)での食事事情についてお話ししました。

 私たちはできる限り添加物の入っていない食事を摂ることを普段から心がけているため、山と言えど普段は食べていない物はできるだけ食べたくない! そして素晴らしい景色の中でおいしいご飯を食べたいのだ!!との思いから、持てる限りの生米や野菜を担ぎました。

 私たちが340kmのJMTを歩いた期間は3週間。

 これはスルーハイク(全行程を一気に歩ききること)をするモデルにもなっている期間で、1日の行動距離は10〜30kmとさまざま。と言うよりは日本の山のようにテント場が決まっている箇所は一部なので、基本的には野営に適した場所が見つかれば休み、歩きたければどこまででも歩くことができるという、なんとも自由なトレイルなのであります。

 その3週間の行程の1日目のキャンプ指定地で、ほぼ同じ期間でスルーハイクをするというアメリカ人の男の子ふたりと知り合いました。

 ニューヨーカーのトムとロスからやってきたマタイアス。ふたりともがっちりとした体格でしたがバックパックの大きさは私たちの2/3ほど。1日に何度も抜きつ抜かれつ顔を合わせているので自然と仲良くなり、後半は何度も一緒にキャンプをしました。

 今回はその時彼らが食べていたのものについて。

 密閉袋に入れられた、なんだか紙のようなおせんべいのようなものをジェットボイルに入れ、そこに水を加えてグツグツ煮ている様子。

 気になった私は、それは何??と聞いてみたところ「アップルスイートポテトだよ」という返事。

ふーん、でもそれどこで売ってるの?

「自分で作った。試してみる?」

 いいの? ありがとう〜どれどれ!?

 ひと口食べてみると、その名の通りリンゴとサツマイモをクタクタに煮たものをマッシュにした感じですごくおいしい。

 あんなにパリパリのおせんべい状態だったのに、お湯で戻すだけでいいなんてなんてすばらしいトレイルフード!

 ちなみに、大柄な彼らにとっては物足りない量だったようですが、足りないカロリーはボトルごと持ち運んでいるピーナッツバターをそのまま舐める(!)というアメリカ人ハイカーにとってはスタンダードなスタイル(?)を貫き通していました。

 どうやって作ったのかを根掘り葉掘り聞き出したのですが、どうやらアメリカでは「ディハイドレイター」なるものがホームセンターで売られていて、ドライトマトやドライフルーツが家庭で簡単に作れるというのです。それは温風を食材に吹き付けて水分を蒸発させる食材乾燥機らしく、天候に左右される天日干しや自然乾燥より、確実に食品を乾燥させられる便利な道具のようでした。

 さっそく下山してから調べたところ、確かに大型ホームセンターに普通に売られていました。

 これ欲しい!!! これがあったら自分で作ったスープを山に持っていけるではないか! と思ったのですが、機内持ち込みにするにはちょっと大きすぎてその時は断念。

 しかし後日日本でも買えることが判明。しかもAmazonで。

 手に入れ、とにかく試作しました。

 ドライトマトやドライフルーツは一晩でできます。

 そして豆のポタージュやチキントマトシチューなんかもカラカラに乾燥させることができるのです。実際にコロラド川をカヤックで旅した友人にこの試作品を試してもらったのですが、彼の反応は上々で、しかも同行していたアメリカ人にも驚かれたとのことでした。

 もっと色々試してみたいと今思っています。具体的に頭のなかでイメージできるのは、チキンとトマトのカレーや、スムージーなどはいけるはず。ほか例えば和風の煮物をやったらどうなるだろう?など、興味は尽きません。
写真はディハイドレイターを使って水分を取り除いた「豆のトマトとシチュー」。お湯を加えて少し煮るともとのシチューに戻るのだそう!

 作ってみたいけどこのマシンがない方は、かなり水分が少なくなるまで煮詰めた料理をオーブンで低温焼き(100℃くらい)すれば同じような物が作れます。

 オーブンもない人は……。ものすごい天気のいい乾燥した日に何日か天日干しすればできるかもしれません。

 また機会があればディハイドレイターを使った手作りドライフードをご紹介したいと思います。
(文=山戸ユカ 写真=山戸浩介)

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