• アクティビティ

自分だけの自然を見つけるなら、川を下るのだ!

2023.08.26 Sat

大村嘉正 アウトドアライター、フォトグラファー

 待ちに待った夏休み。しかし、たどり着いた山やキャンプ場は都会並みに人、人、人……と、わかっちゃいるけど毎年恒例になっているあなた、そろそろ変えてみませんか? アウトドアでの究極の贅沢は空間の独り占め。仲間だけでいられる、または孤独になれる自然を発見できれば、人だらけのこの国で解放区を手にしたことに。
独り占めであれば、自分をさらけ出して夜を越えていく。
 じゃあ、それはどこに? 道なき先の奥山、海原の向こうの無人島……じつは、身近な砂利の河原もその候補。車や徒歩でのアクセスが難しければ、たとえ人里の河原でも、生き物の痕跡は獣のフンぐらいだ。
仲間だけで峡谷のビーチを占拠。
 そんなワイルドな河原を見つけるなら川を下るにかぎる。カヤックやカヌーは敷居が高くても、「パックラフト」を選べば初心者でも容易に操れるし、バックパッキングなみの野営道具なら積める。運搬や収納も困らないし、メーカーの直販サイトからだと値段は少し安い。
パックラフトは軽々。
 そして川面の人になってしまえば、もれなく独り占めできるのだ。


たとえば清流王国の四国にはこんな独占スポットが
 独り占めできそうな河原探しで頼りになるのが国土地理院地図とグーグルマップ。有望なのは川下りできる水量があり、流域に民家が少ない谷間の川だが、現地に行くと予想外もある。私がよく知るフィールドを例に挙げるので、該当するグーグルマップの航空写真と照らし合わせて参考にしてほしい。
これがだいたい1~2級の瀬。白波は立つが素直な流れ。
 なお、以下に紹介する川の区間は、瀬のグレードが1~2級。パックラフトであれば初心者でもなんとかなるはずだ。くれぐれも、瀬が近づいたら手前で上陸し、その瀬の安全を確認して川を下ろう。


■吉野川(高知県大豊町)
上流の早明浦ダムが濁り水を放水しないときは、四万十川や仁淀川よりも清流になる吉野川。
 大豊町川口南の大杉橋から、穴内川が流れ込む吉野川橋までの約7㎞はかなりの過疎地で、川沿いの道の交通量は極端に少ない。谷もまあまあ深いので流域の人の目を避けられる。寝床に適した砂地の河原も見つけやすい。
蛇行の内側にはいい河原が。これは大杉橋の下流約1.5㎞の地点。
・飲料水・食料/川口南にスーパー「末広おおとよ店」あり。飲料水は持参。
・アクセス/「JA葬祭ルミエール山月」の西に川へ降りる車道あり。ここは消防車が川から給水するための道なので、利用は荷物の上げ下ろしのみ。大豊インターチェンジから車で1分。吉野川橋付近では、橋の南、直売所へ入るすぐ手前から川へ降りる車道あり。吉野川橋の下に数台分の駐車スペース。大豊インターチェンジから車で7分。
犬も喜ぶ広い河原が点在。
●吉野川(大杉橋~吉野川橋)のマップ


■仁淀川(越知町横畠地区の下流)
 横畠橋から下流に向けて約4㎞の区間は幹線道から離れ、川沿いに人家はない。右岸の山肌に道路はなく、原始の川辺のごとし。人工物が見えないので、この春放送開始のドラマ「らんまん」のロケ地にもなった。
人工物がとても少ない区間。
・飲料水・食料/越知町市街にスーパー「サンプラザ」あり。越知町の宮の前公園や本村キャンプ場に水道とトイレあり。
・アクセス/横畠橋までは、高知道いのインターチェンジから車で約40分。横畠橋の西の手前から河原(本村キャンプ場)に降りる車道あり。その次に車でアクセス可能なのは、横畠橋から約5㎞下流の浅尾沈下橋。
この区間の河原はあまり高さがないので、増水には注意。
●仁淀川(横畠橋~浅尾沈下橋)のマップ
リスク対応もお忘れなく
 川面からのアクセスしかない河原でキャンプするときは、川の増水への備えは欠かせない。天候に注意し、やばそうなときには中止に。万が一のときの脱出策も用意しておこう。
「河原の独り占め」キャンプ地には、川から客が訪ねてくる。

Latest Posts

Pickup Writer

ホーボージュン 全天候型アウトドアライター

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

森山憲一 登山ライター

高橋庄太郎 山岳/アウトドアライター

森山伸也 アウトドアライター

村石太郎 アウトドアライター/フォトグラファー

森 勝 低山小道具研究家

A-suke BASE CAMP 店長

中島英摩 アウトドアライター

麻生弘毅 ライター

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

滝沢守生(タキザー) よろず編集制作請負

宮川 哲 編集者

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

藤原祥弘 アウトドアライター、編集者

ふくたきともこ アウトドアライター、編集者

北村 哲 アウトドアライター、プランナー

渡辺信吾 アウトドア系野良ライター

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

Ranking

Recommended Posts

# キーワードタグ一覧

Akimama公式ソーシャルアカウント