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<夏休み大作戦>ルアーでアユを釣ろう!
2016.07.31 Sun
藤原祥弘 アウトドアライター、編集者
日本じゅうの川に生息するものの、いざ釣るとなるとちょっと敷居の高いのがアユ。友釣り、エサ釣り、毛鉤釣り、ひっかけ釣りとさまざまな釣法がありますが、ほとんどの釣法が難解かつ道具も高価です。
そんなアユ釣りを、始めたその日から気軽に楽しめるのが「ルアーを使った友釣り」。アユにそっくりのルアーをアユの縄張りに送り込んでアユにアタックさせ、その勢いでアユを鉤がかりさせるという釣法です。
元々の発祥はアユの友釣り。友釣りの世界では、最初のオトリとなるアユを手に入れるために「友ルアー」というアユに似せた「なんちゃってアユ」を泳がせ、野生のアユをアタックさせてオトリを得ます。
これにならって、アユのルアー釣りではブラックバス用やスズキ用のルアーを使ってアユを釣り上げます。「アユカラー」といえば、ルアーの大定番。ルアーで釣りをする人なら、誰でもひとつかふたつ、タックルボックスに入っているのではないでしょうか。
精巧な友ルアーが比較的高価なのに対し、アユカラーのルアーなら1500円程度から。ワゴンのなかの安売りルアーなら、300円程度から手にはいることもあります。
このルアーの鉤をアユの友釣り用のものに変えるだけで、ふだん使っているルアー釣りのタックルをそのまま流用することができます。
それでは以下、ルアーを使ったアユの友釣りの解説です!
ルアーの友釣りは向こうアワセ(魚に勝手にかかってもらう)なので、タックルの価格や繊細さは釣果にあまり関係しません。用意する道具は、180〜210cm程度のロッドとそれに適合するリール。いわゆる「ライトタックル」ならなんでもOKです。ルアーは胸に追い星の入った典型的なアユカラーを用意。これに友釣り用の鉤を装着すれば準備完了。もともと付いている鉤では鉤先が鈍すぎてかかりません。ルアーのサイズは、狙うアユよりもひとまわり程度小さいものをチョイス。大きすぎても敬遠され、小さいと相手にされません(実は、今回用意できたルアーはちょっと小さすぎます)。
遊び場はこんな川。水量の少ない、チャラ瀬が続くような川が向いています。水深が40cmを超えると遊びづらくなります。上流側に立ち込み、流れに乗せてアユのいそうな瀬や石のまわりを探ります。
アユの着いていそうな岩のまわりを、ひとつずつ舐めるようにルアーを流すのがコツ。ルアーのタイプはフローティング、サスペンド、シンキングのどれでもよいいですが、水の流れを受けたときにはちゃんと沈んで、底を舐めるように泳ぐものを用意しましょう。
アユがいそうな岩場を舐めているうちにアユがヒット! 友釣りは縄張りを侵した個体を排除する性質を利用した釣りですが、アユのルアー釣りは釣り場が大アユのいないチャラ瀬なので、釣れるのはほとんどが縄張りをもてない小型です。縄張りをもてない小型は群れを作って群泳するのですが、群れになろうとルアーに寄るうちに鉤にひっかかるのかもしれません。
どや! まぶしいぜ! アユが……じゃなくて西日が
大漁できる釣りではありませんが、楽しむ程度にはポツポツ釣れる釣りです。出かけた先に、アユのいる浅い川があればぜひ挑戦を!
必要な道具も少なく、誰でも楽しめるルアーでのアユ釣りですが、ひとつだけ気をつけなくてはいけないのが、漁協のルールと遊漁料。
アユは各漁協のメインの収入源なので、釣獲には結構うるさく、川遊びの片手間の釣りであっても、数千円の遊漁料を払わなくてはいけません。また、ルアーを使ったアユ釣りが禁止されている川もあります。
しかし、ルアーでのアユ釣りが向いているのは小型の多い小河川で、遊漁料と遊びが吊り合いません。楽しむなら、渓流がそのまま海へ流れ出しているような、漁業権の設定のない小さな川がおすすめです。