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【海外登山】フィリピン・セブ島の最高峰を踏み、エメラルドグリーンの滝まで縦走しよう。後編

2020.08.03 Mon

鈴木純平

鈴木純平 ライター、編集者、同人作家

前編はこちら

■地元民しか知らない秘密の縦走ルート

 オスメニャピーク(Osmeña Peak)で360度のパノラマを堪能したあとは、いよいよカワサンフォールズ(Kawasan Falls)へ。先に書いた通り、来たらなんとかなるだろうと思っていましたが、登山口の売店の人に話を聞くと「何も標識がないし、土地勘がないと絶対に迷う」と言われたので、じつはガイドをお願いしていました。

 たしか1,500ペソ(約3,000円)ぐらいで案内してくれたと思います。フィリピンの物価にしたらそこそこな値段ですが、さすがに5時間の道のりだし、彼が家に帰るのに同じ時間を要すると考えると妥当、いやむしろ安いくらいです。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走うつくしい滝までのトレイルは、山間の集落の私道から畑の畦道までバリエーションに富んでいます。

 ガイドのジャック君に連れられ、一路、滝に向かいはじめたわれわれ。オスメニャピークの登山道からはずれ、まずはキャベツ畑の中を突っ切ります。セブ島でも高地に当たるここら辺のエリアは、涼しい気候なので葉物野菜が名産らしいです。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走本当に道なき道だったので、ガイドなしではきっと諦めていたことでしょう。

 かわいい野良犬が後ろをついて来たり、最高にのどかな道のりです。フィリピンでは町のいたるところに野良犬がいるのですが、なぜか悪さをする犬は見かけません。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走冷涼な気候と保水力のある壌土質の土を持つこの地域。起伏のある斜面にキャベツ畑がどこまでも広がる。

 道を歩いているとつねに見えていた石灰岩質の円錐形の小さな山は、このエリア特有のもの。セブ島からもアクセスしやすい人気の観光地、ボホール島の “チョコレートヒルズ” と呼ばれるものに酷似しています。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走たまに出くわすキャベツ農家のおじちゃんたちに挨拶しながら、ひたすらジャック君をフォロー。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走セブシティ郊外に住んでいるグレンも、どちらかというとシティボーイだからか、ぼくたち同様に田舎のハイキングを楽しんでいた。

 まったく派手さがないけど、ツーリストスポットとちがって、こういう山村を歩いたほうが異国感を味わえる。オスメニャピークから1時間もすると写真のような道になったので安心しつつも、こんなところにも電線が通っていて、人が住んでいることに驚いたりもしました。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走山間のオアシス。冷えたソーダを飲めると思ってなかったのでテンションが上がりました。

 オスメニャピークの売店のおばちゃんが「滝までの間に店はないからウチで買って行きな」って言っていたのはきっと聞きちがいだったのでしょう。山の中の商店で炭酸ジュースと水を補給。正直お腹は減っていましたが、そこで売っていた新鮮じゃなさそうなパンのようなものは遠慮しておきました。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走のんびり足を舐めまわすかわいいねこちゃん。ここでは、ねこもニワトリも牛も人間もストレスなく生きているんですね。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走谷の間の農道をひたすら歩くわれわれ一行。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走キャベツをカゴに入れて運ぶお兄さん。広い道に出たらトラックかなんかに乗るんだよね? まさかずっと歩いて里まで降りないよね? と不安になるくらいの山奥にて。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走なに食わぬ顔で他人のテリトリーを通過!

 え! 人んち通っていくの!? 一応、ある英語のサイトにこの道のルートマップが出てましたが、もしガイドをつけずに歩いていたら、まさか不法侵入しなければならないと知らず、道に迷ったことでしょう。ジャック君は平然と、なにも気にせずぼくたちを導いてくれました。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走道端からネギが生えていたり、あまり畑の境界など気にせず自然栽培スタイルで野菜を育てているみたいです。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走キャベツ畑から一変。木が生い茂ったゾーンに突入。だんだんあつくなってきた。

 ルートの後半は標高が下がって来たのか背の高いヤシのような木が増えはじめて、亜熱帯らしい森になってきました。iPhoneの修理が趣味のインドア派、友人のフミ君は疲れて来た様子。あと2時間で滝だ。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走草が生い茂る山の斜面をかき分けて、なんとかかんとか下る場面も。

 いっぽう、ジャングルになってテンションが上がったグレンは上裸になって槍っぽい枝を手にし、野生児ごっこをはじめました。当時セブシティのジムで働いていたので腹筋がバッキバキ。カメラを向けると脱ぎがちな彼は、いまは日本で働いています。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走歩きはじめてから4時間、足の裏が痛い。ベアフット系サンダルでトレランとか意味がわかりません。鍛錬が足りませんね。

セブ島 カワサンフォールズ オスメニャピーク 縦走いよいよ終盤! 森林地帯に入って蒸しあつくなってきたこともあり、みんなでTシャツを脱ぎはじめちゃう。

セブ島 カワサンフォールズ水辺の方向からは「ヒャッホォォ」「キャー」と、楽しそうな叫び声が聞こえてきます。

 いよいよジャングル感が増して来たころ、遠くで水が流れ落ちている音が聞こえ、木立の隙間から水面が見えてきました。ターコイズブルーに輝く川はまるで宝石。長時間かけて歩いて来た甲斐がありました。案内ありがとうジャック君!!

■ついにたどり着いたカワサンフォールズ。

 カワサンは何段にもおよぶ滝の密集地域で、セブ島バランガイ(baranggay)地区いちばんの観光スポットでもあります。オスメニャピークから秘密の縦走ルートを通ってアクセスすると、ちょうどカワサンフォールズの上流部にたどり着きました。

 汗ばんだ体を冷やすべく、すぐに飛び込みたかったのですが、それよりもお腹を満たしたかった。なので飲食コーナーが並ぶ入り口付近の第一滝があるエリアまでさらに15分ほど歩いて行きました。

セブ島 カワサンフォールズカワサンフォールズ のいちばんひらけたエリアにて。天然のウォーターパークは大にぎわい。

 ここはフィリピン国内でもっともキレイな川とも称されるマツティナオ川水系で、カワサンフォールズでは淡水浴と滝の上からの飛び込みが大人気。

 手はじめにライフジャケットを借りて、滝壺がつくり出したプールで水浴びをはじめました。第一滝は飛び込みが禁止されていますが、足がつく深さで子どもたちが多い印象。ただ水温が低めなので、徐々に慣らしていかなければなりません……。ちなみにこの滝の高さは40mで、セブ島の最大落差の滝だそうです。

セブ島 カワサンフォールズセミと水の音が響く、マイナスイオンに満ちた渓谷。

 カワサンフォールズは1㎞くらい(不明確)にわたって展開していて、川沿いを歩いて滝から滝へ。道は細くて人がすれちがうのがやっとなので、しばらくの間、ビキニの若いお姉さんたちのうしろを歩きました。

 女の子がわんさかいるからか、せっかくライフジャケットを借りたのに、グレンは俺の身体を見てくれとばかりにジャケットを脱いで歩きはじめます。

セブ島 カワサンフォールズこの年のぼくのベストショットと言える、グレンの飛び込みの写真。

 高さ6mぐらいの滝からダイブ。ぼくもこの滝は飛び込めたけれど10mごえのところは遠慮しておきました。

 ちなみにぼくが飛び込んだ際に防水カメラを川底に落としてしまって、周りにいたやさしいフィリピンの人たちが潜って捜索。見事拾ってくれました。サラマートゥ!(タガログ語でありがとう)

セブ島 カワサンフォールズiPhone解体が趣味のフミ君も前宙を繰り出しながらダイブ!

セブ島 カワサンフォールズとにかく飛ぶ飛ぶ。飛び込みができる最大の高さ15mからだって飛ぶ友人たち。ぼくは足がすくんでカメラ係に徹しました。

 観光地なのに10mごえの高さから飛び降りれちゃってるんだからすごい。日本でこんなに人が訪れるのに自由に遊ばせてくれるところはおそらくないでしょう。

セブ島 カワサンフォールズ子どもから大人まで列をなして並ぶ、人気のターザンロープアトラクション。

 飛び込みがいちばんスリリングですが、天然のウォータースライダーやターザンロープというアクティビティも用意されていたりします。滝に打たれて肩こりをほぐしたりしつつ、長時間歩いてたどり着いたことをすっかり忘れて水と戯れました。

セブ島 カワサンフォールズこんなに遊べるのにカワサンフォールズの入場料はたった45ペソ(2018年時点)。100円以下で遊べちゃう。

 観光客向けにキャニオニングツアーという名前でガイド付きのツアーも1,500ペソぐらいで用意されているようですが、まったく同じことを自分たちでできちゃいます。それを考えたら、オスメニャピークからカワサンフォールズへのガイド代に当てたほうが有意義。

 ということで、みなさんもいつかセブ島に行って、ぼくのたどったルートにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

セブ島 カワサンフォールズカワサンフォールズの入り口にあるバス停から眺めた夕陽。朝はセブ島の東岸にいたのに、いつの間にか西岸まで移動していました。

鈴木純平

鈴木純平 ライター、編集者、同人作家

知られていない情報を読者に届けることが生きがいの、同人誌上がりの編集者・ライター。某出版社にてアウトドアライフスタイル誌の編集を5年経験したのち、2018年よりフリーランサー。アウトドアに身を置くのが好きだがすべてが中途半端、故に自分語りではなく取材を嗜好する。唯一ネットサーフィンは得意で、おもしろい物事や人を見つけるのは上手。wakagenoitary.com/

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