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「燻製はカンタン」と断言! 小雀陣二さんのお手軽燻製レシピその1

2016.05.16 Mon

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

誰にでも作れる簡単なアウトドア料理の魅力を
様々なメディアで伝え続ける小雀陣二さんが
Akimamaでもレシピを初公開!
「燻製」をテーマに、基本的なテクニックから
ひと手間加えた技ありレシピまで連載でお届けします。

 
 燻製とは、もともとは一度にたくさん収穫される食材を、傷みを抑えてなるべく長く食べていけるようにと加工した保存方法です。

 基本的な方法は、塩で漬け込んで食材から水を染み出させて脱水。それを数時間〜数日かけて乾かし、さらに煙でいぶすことで殺菌し腐りにくい状態を作ります。昔から各国に伝わる燻製方法がありますが、保存そのものを目的とすると手順がどうしても丁寧になり、時間や手間がかかります。

 けれど、今の日本ではありがたいことに冷蔵庫もあり、季節ごとの食材もいろいろと選べますよね。

 僕としては、燻製は料理に取り入れて、そこから生まれる味や香りの違いを楽しみたい調理方法のひとつでもあります。塩コショウや、ハーブのような存在と言えば分かりやすいかもしれません。難しいという思い込みはいったん横に置いておいて、調味料を使う感覚で気軽に試してみませんか?

 今回は、もっともベーシックなレシピをご紹介。レシピと呼ぶのも気が引けるほど簡単です。

 使う道具はキャメロンズというブランドの「ストーブトップスモーカー」。フタがスライドするフリスクのケースのような形をしていて、このままツーバーナーや炭火などの熱源の上に載せて使います。片手で扱える気軽さが魅力で、あまり厚みのない食材ならなんでも熱燻が楽しめます。

 中華鍋やステンレスのボウルなどを使う簡易的な方法もありますが、専用に作られた道具は食材のセットが簡単だったり、煙のまわり方が均一だったり……と、やはり理にかなっているので使いやすいんですよね。

燻製レシピ01
スモークつまみセット

■材料
スモークチップ(バーボンオーク) 1/2カップ
ソーセージ 数本
チェダーチーズ 2切れ
べったら漬け 1本
豆アジ 数匹
笹かまぼこ 4本
マカダミアナッツ ひとつかみ
アーモンドひとつかみ
 ※食材はお好みで! 燻製してみたいものは何でもどうぞ

■作り方
下ごしらえ
水分のあるものはキッチンペーパーなどで水分を拭い、天日で1時間ほど干すとよい。

1、チップ1/4カップをスモーカーの底に入れる。スモーカーの網に各食材を並べてセット。
ポイントはスモーカーの底全面にチップを撒くのではなく、炎の上辺りに集中させること(ポイントの写真は「ミニスモーカー」)気の向くままあれこれ食材を載せてみる。ナッツ類は網から下に落ちないよう、アルミホイルの器などへ

2、ツーバーナーなどを用いて強火で熱し、煙が出始めたら弱めの中火で5分ほど燻製する。このときフタを数ミリ開けておくことで内部の酸欠を防ぎ、燃焼効率も高められる

3、スモーカー内の温度が上がるため、チーズは溶けてしまう前に取り出しておく。笹かまぼこやソーセージなど両面に薫香を付けたい食材は途中で裏返し、残りのチップを加えてさらに燻製する。
煙がでなくなったら燃え尽きたということ。しっかりとチップが燃えると写真のように炭化する
 以上、簡単!

 口元に運ぶとフワリとスモーキーな香りが漂い、同じ食材なのにまさに別モノと言えます。ウイスキーや焼酎などを片手につまめば、お酒好きな人にはたまらないはずです。そのまま食べても、一味や七味、醤油とマヨネーズを付けるなど、お好みでどうぞ!

 ちなみに、今回使ったチップはキャメロンズの「バーボンオーク」。これはバーボンが染み込んだ樽材を使用しているチップで、おつまみ向きと考えました。スモークと言えばサクラやヒッコリーが定番ですが、あれこれ燻製していくうちに木の香りに違いがあることにも気付くと思います。スパイスやハーブに好みがあるのと同じように、難しく考えずいろいろ試してみてください。

 次回はもうひと手間加えたレシピをご紹介します。キャンプはもちろん、庭でのBBQ、友達を招いた家飲みなどでも食べたくなること請け合い!
(文=小雀陣二、写真=田淵睦深)
 

自宅でも作りたくなる! 小雀陣二さんのお手軽燻製レシピその2・3
家ごはんにも取り入れたい! 小雀陣二さんのお手軽燻製おつまみその4・5
もあります。こちらをクリック!



キャメロンズ/ストーブトップスモーカー

■サイズ:使用時28×59×8cm(収納時 28×38×8cm)、網からフタまでの高さ:約5.5cm
■重さ:2,540g
■付属品:本体(汁受けトレイ・網・フタ)、スモークチップサンプル(約155ml×2)、日本語説明書

■お問い合わせ
アンプラージュインターナショナル
TEL.072-728-2781
https://camerons.jp/

小雀陣二 アウトドアコーディネーター

アウトドアメーカー勤務後、広告、CMなどアウトドアに関する撮影などでコーディネーターとして携わる。得意な料理を通じて、アウトドアで過ごす楽しさ、重要性を伝え、雑誌を中心に新しいアウトドアの海・山料理、キャンプ料理のレシピや手法を紹介し、イベントではアウトドア料理やキャンプの講師を勤める。日本国内、米国アラスカなどでカヤックツアー、MTBツアーなどを行ない、それらさまざまなフィールドでの経験を活かし、アウトドア道具の商品企画に関わる。著書『焚き火料理の本』、『山料理』(山と渓谷社)、共著『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』(グラフィック社)など。週末は不定期に神奈川県の三浦半島の突端、三崎港でカフェ「雀家」を営む。

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